...赭顔(あからがお)の博士は...
海野十三 「振動魔」
...緑乃至代赭乃至紫の灌木が同じやうな明るい色で點綴してゐます...
江南文三 「佐渡が島から」
...すると、まるで赭(あか)い顔色をして、髪の毛も赭く、非常にぴったりと体に合っている型の衣服を著て、頭には親衛歩兵の桝型帽、それもずいぶんの桝目のもの★のような、あるいは大きなスティルトン乾酪(チーズ)★のような、実に驚くべき帽子をかぶっているということを、ロリー氏があわてているうちにも認めた、一人の荒っぽそうな婦人が、宿屋の召使たちの先頭に立って部屋の中へ駈け込んで来て、逞しい手を彼の胸にかけたかと思うと、彼を一番近くの壁に突き飛ばして、その可哀そうな若い淑女から彼を引き離すという問題をすぐさま解決してしまった...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...赭(あか)ら顔で...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...議会柔道三段の腕前を持っていて、赭顔肥大、而も平素は温厚な好々爺である、某代議士が云う...
豊島与志雄 「条件反射」
...まだどこか子供々々した俤(おもかげ)のぬけきらぬ顔を赭(あか)くし...
長與善郎 「青銅の基督」
...小倉(こくら)の襞(ひだ)を飽くまで潰(つぶ)した袴(はかま)の裾(すそ)から赭黒(あかぐろ)い足をにょきにょきと運ばして...
夏目漱石 「虞美人草」
...代赭(たいしゃ)に染めた古代模様の鮮(あざや)かに春を寂(さ)びたる帯の間から...
夏目漱石 「虞美人草」
...「ああどこに 私の音づれの手紙を書かう!」佛陀或は 世界の謎赭土(あかつち)の多い丘陵地方のさびしい洞窟の中に眠つてゐるひとよ君は貝でもない 骨でもない 物でもない...
萩原朔太郎 「定本青猫」
...赤ゑり赭熊(しやぐま)に裲襠(うちかけ)の裾ながく...
樋口一葉 「たけくらべ」
...小さな二輪車が丘のやうな赭牛の項(うなじ)に牽かれて...
三好達治 「測量船」
...主人のと赭顔の男のと...
森鴎外 「金貨」
...太った赭顔(あからがお)の男である...
森鴎外 「独身」
...赭禿(あかはげ)の土蔵ばかりがわずかに堅実の観を保っている...
柳田国男 「雪国の春」
...四平之丞の印象にあるお石は、色の黒い、赭毛の、からだの痩せて小さな、みっともない子であった...
山本周五郎 「日本婦道記」
...すこし赭(あか)ら顔(がお)に...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
...だらだら坂になっているアカシア並木の赭土(あかつち)の途を揺られながら...
吉行エイスケ 「バルザックの寝巻姿」
...今ではたゞ土埃を捲きあぐる赭土原となり終つてゐる...
若山牧水 「樹木とその葉」
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