...眼を遮(さえぎ)るものとてはただ春蝉の啼(な)きしきっているこの断崖の上に俯瞰(ふかん)したひょろ高い赤松の梢だけであった...
橘外男 「逗子物語」
...大きな赤松の枝の間から眼を放った遥(はる)かの端(はず)れに...
橘外男 「墓が呼んでいる」
...殊(こと)に上月記や赤松記は当時の実戦者が老後に自ら書き遺(のこ)したものか...
谷崎潤一郎 「吉野葛」
...赤松黒松の雌雄両木が絡み合ひ結びついてゐる...
種田山頭火 「旅日記」
...赤松克麿氏はやはり本誌(九月号)で社大党の変節を指摘し...
戸坂潤 「社大党はファッショ化したか?」
...さうして糸薄の中には疎らに赤松が聳えて居る...
長塚節 「鉛筆日抄」
...堤の下の赤松越しに...
林芙美子 「田舎がえり」
...巻藁の筒から滑らかな赤松の枝が延びていた...
横光利一 「旅愁」
...細い赤松の幹を揃えたその対うが街の谷らしかった...
横光利一 「旅愁」
...白い顔の端が外の赤松の林をのぞきました...
吉川英治 「江戸三国志」
...小寺家も赤松の流れである...
吉川英治 「黒田如水」
...これも先月の赤松勢の洛内乱入のせいだった...
吉川英治 「私本太平記」
...すでに洛中は“赤松焼き”に会って...
吉川英治 「私本太平記」
...赤松一族の助力なくば...
吉川英治 「私本太平記」
...播磨飾西(しきさい)郡置塩(おきしお)の城主赤松次郎則房(のりふさ)が...
吉川英治 「新書太閤記」
...祖先赤松氏の支流なることを云ったのか...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
...「新免家は元、赤松一族の支流、その赤松政則(まさのり)が、昔はこの白鷺城の主(あるじ)であったのだ...
吉川英治 「宮本武蔵」
...守護赤松満祐の兵と戦ってこれに克ち...
和辻哲郎 「鎖国」
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