...贔負(ひいき)をしたりして...
泉鏡花 「海城発電」
...西郷贔負(さいごうびいき)の二葉亭はこの伯父さんが官軍だというのが気に喰(く)わないで...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...且日本贔負の筆まめな人である...
土井八枝 「隨筆 藪柑子」
...田之助は私が藩地にいる頃より継母方の伯母の山本が江戸から持帰った錦絵や番附でよく知っていて何だか見ずと贔負に思っていたのであるから...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...どつちも依怙贔負(えこひいき)なしつち處(とこ)だ」相手(あひて)は得意(とくい)に成(な)つて云(い)つた...
長塚節 「土」
...もっともこれは少し贔負の引き倒しの説かもしれない...
中谷宇吉郎 「『雪華図説』の研究」
...贔負になるとこんな事ができない...
夏目漱石 「おはなし」
...芸人にはこの贔負が特に甚だしい...
夏目漱石 「無題」
...そうしてそれは身贔負(みびいき)に過ぎない...
夏目漱石 「明暗」
...吾輩は日本の猫だから無論日本贔負(びいき)である...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...お家(うち)は堅(かた)けれど他處(よそ)よりのお方(かた)が贔負(ひいき)になされて...
一葉女史 「大つごもり」
...氣位たかくて人愛のなければ贔負にしてくれる人もなく...
樋口一葉 「にごりえ」
...氣位(きぐらい)たかくて人愛(じんあい)のなければ贔負(ひいき)にしてくれる人(ひと)もなく...
樋口一葉 「にごりえ」
...如何に新劇贔負の自分にも思ひも及ばない事であつた...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...それでまた例の身贔負,内心の内心の内心に「多分は無難であろうぞ」と思いながら変なもので...
山田美妙 「武蔵野」
...私は御贔負(ごひいき)になって幾年にもならねえ...
山本周五郎 「あだこ」
...満月ことを左程御贔負(ごひいき)に思召(おぼしめ)し賜わりまするならば...
夢野久作 「名娼満月」
...(笑聲)どういふ譯で井上秀子女史だけ贔負をするのか――井上さんが非常に美人ででもあつたら寃罪を受けるところなんです...
吉川英治 「折々の記」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??