...新内(しんない)の若辰(わかたつ)が大の贔負(ひいき)で...
内田魯庵 「二葉亭余談」
...贔負(ひいき)があってやあやあ言うと力は百倍する...
大隈重信 「政治趣味の涵養」
...……彼女にとっては見物や花束や新聞の短評や贔負の人々よりも...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「マリ・デル」
...芸人にはこの贔負が特に甚だしい...
夏目漱石 「無題」
...……おれに対する同情のため? おれを贔負(ひいき)にし過ぎるため?」それも何とも云えなかった...
夏目漱石 「明暗」
...せんだってあの鼻の主が来た時の容子(ようす)を見たらいかに実業家贔負(びいき)の尊公でも辟易(へきえき)するに極(きま)ってるよ...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...吾輩は日本の猫だから無論日本贔負(びいき)である...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...長吉は我が門前に産声(うぶごゑ)を揚げしものと大和尚(だいおしよう)夫婦が贔負(ひいき)もあり...
樋口一葉 「たけくらべ」
...又(また)御贔負(ごひいき)をの嬌音(きやうおん)これたやすくは買(か)ひがたし...
樋口一葉 「たけくらべ」
...贔負目(ひいきめ)には雪中(せつちゆう)の梅(うめ)春待(はるま)つまの身過(みす)ぎ世過(よす)ぎ小節(せうせつ)に關(かゝ)はらぬが大勇(だいゆう)なり辻待(つじまち)の暇(いとま)に原書(げんしよ)繙(ひもと)いて居(ゐ)さうなものと色眼鏡(いろめがね)かけて見(み)る世上(せじやう)の物(もの)映(うつ)るは自己(おのれ)が眼鏡(めがね)がらなり...
樋口一葉 「別れ霜」
...母親が贔負(ひいき)にするだけに...
二葉亭四迷 「浮雲」
...お前えは飛んだ依怙贔負の仕事をしてゐるつてはなしぢやないか...
牧野信一 「鬼涙村」
...ひどく三田贔負の醉月の主人は...
水上滝太郎 「大阪の宿」
...作者が明白に贔負にしてゐる千の助は...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...母の方は自分の身内だけに向うへ贔負(ひいき)をするかも知れんが東京へ来てあの天女(てんにょ)の如(ごと)きお登和嬢を見れば誰だって賛成しない人はなかろう」小山「アハハ君の眼からは天女に見えても猜疑(さいぎ)という色眼鏡(いろめがね)で視られると天女が悪魔と思われる事もあるからね...
村井弦斎 「食道楽」
...それでまた例の身贔負,内心の内心の内心に「多分は無難であろうぞ」と思いながら変なもので...
山田美妙 「武蔵野」
...あたしたちは長いこと御贔負(ごひいき)になって来たし...
山本周五郎 「風流太平記」
...満月ことを左程御贔負(ごひいき)に思召(おぼしめ)し賜わりまするならば...
夢野久作 「名娼満月」
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