...贏(か)ち得るものは青楼(せいろう)薄倖の名より他には何物もない...
永井荷風 「梅雨晴」
...以後二十余年の今日に至ってなお虚名を贏(か)ち得ている...
永井荷風 「正宗谷崎両氏の批評に答う」
...当時文壇の風潮と合致する処ありければ忽(たちま)ち虚名を贏(か)ち得たりき...
永井荷風 「矢立のちび筆」
...輸贏(ゆえい)を争うことの謂(い)いなのであります...
中里介山 「大菩薩峠」
...床の間の前で迷亭君と独仙君が一生懸命に輸贏(しゅえい)を争っていると...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...彼女も贏得(かちう)ることが出来ると思ったのであろう...
長谷川時雨 「樋口一葉」
...見事に女優としての第一人者の名を贏得(かちえ)ていった...
長谷川時雨 「松井須磨子」
...あの立派な貴婦人の愛を贏(か)ち得るのだ...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...正直な手段で贏ち得たのであると...
堀口九萬一 「フランソア・コッペ訪問記」
...その結果遂に無上の健康を贏(か)ち得たのです...
牧野富太郎 「牧野富太郎自叙伝」
...その喜と幸福とを私が漸く贏ち得たときには...
水野仙子 「道」
...もし主人過分に贏(もう)けて訟(うった)えらるれば死刑に逢う...
南方熊楠 「十二支考」
...これら外商はインドへ馬を輸(おく)って莫大に贏けたが...
南方熊楠 「十二支考」
...多くの表現と韻律とを贏ち得たことは...
室生犀星 「愛の詩集」
...昨来家計説輸贏...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...それが一躍して中臈を贏(か)ち得たのは破格である...
森鴎外 「渋江抽斎」
...そして不思議な偶然の機会から殆ど命掛けの勇気を出して恋愛の自由を贏(か)ち得たと同時に...
与謝野晶子 「鏡心灯語 抄」
...そして最近数年の間に其(その)文明国民たる知識に由(よ)つて一等国の中に重大な一地位を贏(か)ち得た国民の住まつて居る其(その)国に一度遊びたいと云ふ事が私の希望であつたのです...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
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