...阿母さんが簪を呉れて賺(すか)したのであらうと想像して...
石川啄木 「二筋の血」
...賺(すか)して置く方が...
石川啄木 「我等の一團と彼」
...矢野氏の舌もかうと思ひ込んだ一本気な学生を説(と)き賺(すか)すには力が足りなかつた...
薄田泣菫 「茶話」
...何(ど)う言(い)ひ賺(すか)されて鹿児島へ乗込むかは一寸見物(みもの)である...
薄田泣菫 「茶話」
...嚇すのもあるし賺すのもある...
田中正造 「公益に有害の鑛業を停止せざる儀に付質問書」
...騙(だま)し賺(すか)そうとつとめる...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...それを賺してる秀子の声もかすかに聞えてきた...
豊島与志雄 「理想の女」
...その晩私は寐間のかくれ家から無理やりに茶の間の白洲(しらす)へひきたてられて威(おど)しつ賺(すか)しつすすめられたけれど心をきめてがんばつてたら兄がいきなり衿くびをつかまへ妙なことをしてさんざ畳へたたきつけたあげく続けざまに頬ぺたを打つた...
中勘助 「銀の匙」
...爺等(ぢいら)どうせ夜(よる)なんぞ要(え)りやすめえしなあ」おつぎは又(また)賺(すか)すやうにいつた...
長塚節 「土」
...いろいろに賺(す)かして連れて行こうとするが...
二葉亭四迷 「浮雲」
...一つは御容姿のお美しさが心をよく賺(すか)して...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...五百は姉を宥(なだ)め賺(すか)して...
森鴎外 「渋江抽斎」
...もう昔日の如く夫の甘言に賺(すか)されてはおらぬので...
森鴎外 「渋江抽斎」
...お上さんは背中の子を賺(すか)してゐる...
森鴎外 「壽阿彌の手紙」
...なだめつ賺(す)かしつしながら色々と事情を聞き訊(ただ)してみますと……色情倒錯どころの騒ぎではない...
夢野久作 「キチガイ地獄」
...賺(すか)したりしながら...
夢野久作 「支那米の袋」
...良人(をつと)は或(あるひ)は叱つたり或(あるひ)は賺(すか)したりして自分の気鬱症(きうつしやう)を紛らさせやうと力(つと)めて居る...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...宥(なだ)め賺(すか)しながら訊問した...
吉川英治 「日本名婦伝」
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