...無暗(むやみ)と賤しいとか悪いから止めろと云ふやうな事を日本でも盛んに云つてゐる...
伊藤野枝 「ウォーレン夫人とその娘」
...虚文虚礼便佞(べんねい)諂諛(てんゆ)を賤(いや)しとして仕官するを欲しなかった二葉亭もこの意外なる自由の空気に満足して...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...賤民(せんみん)にちかいのもいる...
太宰治 「斜陽」
...賤(いや)しくないか...
太宰治 「善蔵を思う」
...されば彼は曰く、「およそ皇国の士民たるもの、公武に拘らず、貧賤を問わず、推薦抜擢して軍師、舶司と為し、大艦を打造(うちつく)り、船軍を習練し、東北にしては蝦夷(えぞ)、唐太(からふと)、西南にしては流叫(りゅうきゅう)、対馬(つしま)、憧々(しょうしょう)と往来し、虚日あることなく、通漕捕鯨し、以て操舟を習い海勢を暁(さと)り、然(しか)る後往きて朝鮮、満州及び清国を問い、然る後広東、咬(カルパ)、喜望峯、豪斯多辣理(オーストラリ)には、みな館を設け将士を置き、以て四方の事を探聴し、かつ互市(ごし)の利を征す...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...もし鈍感からならば賤しむべく...
萩原朔太郎 「中央亭騷動事件(實録)」
...私はこんな賤(いや)しい身の上...
樋口一葉 「にごりえ」
...下賤の関わるところにあらず」と...
福沢諭吉 「学問のすすめ」
...私の性質は人に附合(つきあ)いして愛憎(あいそう)のない積りで、貴賤貧富、君子も小人も平等一様、芸妓に逢うても女郎を見ても塵も埃も之(これ)を見て何とも思わぬ...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...それは賤(いや)しくもなく――無價値でもない――精神的に品位(ひんゐ)を墮(おと)すものでもなかつた...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...更に上下卑賤とは文藝を解すると否とを標準として決する區別だと説明してゐるが...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...あまりに自負し過ぎた賤民である...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...まったくこんなつまらぬ卑賤な主題には...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...下賤(げせん)のわれらが酒肴の吟味などとは……口にするだに恥じなければならぬことでございました...
山本周五郎 「日本婦道記」
...よく下賤(げせん)な者の根性にある事だ」「飛んでもないことを...
吉川英治 「江戸三国志」
...街々には貴賤老幼が...
吉川英治 「三国志」
...賤ヶ嶽方面に煙が見られ...
吉川英治 「新書太閤記」
...貴賤の隔(へだ)てをやかましくいう当時でも...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
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