...休(いこ)ひゐる賤(しづ)が翁(おきな)を...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...原稿料を請取ると大いに満足して直ぐ何処(どこ)へか旅行しようと得意になる心のさもしさを賤(かろ)んじて日記に罵(ののし)っている...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...彼の名は賤(いやし)められ...
内村鑑三 「基督信徒のなぐさめ」
...それぞれの權力に隷屬せる下賤の民と見られてゐた傾きがある...
竹内勝太郎 「淡路人形座訪問」
...「かれは賤しきものなるぞ...
太宰治 「津軽」
...などと一文の金もなき謂わば賤民...
太宰治 「二十世紀旗手」
...自(みず)から快なりとする教唆(きょうさ)的慷慨(こうがい)家の甚だ賤(いやし)むべきを知るなり...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...素姓の賤(いや)しい者でございますよ...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...ちょっと戸棚をあけてみただけでもふしだらな賤(いや)しい女でないことがわかったものです...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...敝衣(へいい)も更に賤(いや)しからず...
永井荷風 「洋服論」
...へツへツ」賤しくかう笑つてピシ/\と膝節の音を立てながら起ち上つた時...
長與善郎 「青銅の基督」
...この時賤(いや)しき厠卒(こもの)ありて小さき籃(かご)に無花果(いちじく)を盛りて参らす...
夏目漱石 「虞美人草」
...若松賤子(しずこ)の三人が...
長谷川時雨 「田沢稲船」
...君主たる男子は貴賤貧富...
福沢諭吉 「女大学評論」
...私の性質は人に附合(つきあ)いして愛憎(あいそう)のない積りで、貴賤貧富、君子も小人も平等一様、芸妓に逢うても女郎を見ても塵も埃も之(これ)を見て何とも思わぬ...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...中には最も賤(いやし)むべき情死(しんじゅう)なんぞとなる...
村井弦斎 「食道楽」
...永遠の為めに現時を賤しむ者...
山路愛山 「唯心的、凡神的傾向に就て(承前)」
...僧俗貴賤の階級も問わず...
吉川英治 「私本太平記」
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