...趙七爺を「賤胎(めかけばら)」と罵ったことがある...
魯迅 井上紅梅訳 「風波」
...淡海(あふみ)の國なる賤しき老媼(おみな)まゐ出て白さく...
稗田の阿礼、太の安万侶 「古事記」
...国民のもっとも高尚な分子ともっとも卑賤(ひせん)な分子とによって宣伝されて...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...ジャックリー(訳者注 十四世紀ピカルディーにおける賤民の大暴動)と昔名づけられたような恐るべき騒擾(そうじょう)が起こってくる...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...賤(いや)しいお方ではござりませぬ...
中里介山 「大菩薩峠」
...家財道具を車に積んだ賤民共が陸續と都門の外へ出て行く...
中島敦 「盈虚」
...賤(いや)しき男は独木舟(カヌー)の上から水中に跳び込まねばならぬ...
中島敦 「南島譚」
...話をしなくっちあ生きていられないおしゃべりほど情ない下賤(げせん)なものはあるまいと思った...
夏目漱石 「満韓ところどころ」
...貴賤貧富に論なく女子教育の通則として...
福沢諭吉 「新女大学」
...その不潔を不潔としてこれを悪(にく)み賤(いや)しむの情は日本人よりも甚だしくして...
福沢諭吉 「日本男子論」
...私の性質は人に附合(つきあ)いして愛憎(あいそう)のない積りで、貴賤貧富、君子も小人も平等一様、芸妓に逢うても女郎を見ても塵も埃も之(これ)を見て何とも思わぬ...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...泊る妓の蚊帳の向ふで櫛を替へ泊る妓の汗よけだけがつるさがり泊る妓の肌着になるとちぢこまりかんざしと櫛とを置いてスルリ寝る小待合蚊帳のつり紐ふと見かけニア人になると芸者のカレライスのめばいいんでシヨと芸者トヲ十五十二時が過ぎて待合おもしろし一誦よく岡場所の艶笑場面を賦して毫末も卑賤の感を与へないのはまことにまことに凡手ならざるものがあるではないか...
正岡容 「旧東京と蝙蝠」
...どうして我々みたいな下賤なものと照合されたり比較されたりするのに堪えられようか...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...近隣の賤婦(せんぷ)孀婆(そうば)是が為に雇(やと)はれ...
柳田国男 「木綿以前の事」
...(二)事業を賤(いや)しむこと...
山路愛山 「唯心的、凡神的傾向に就て(承前)」
...下賤極まるあのやりかたをも...
山本周五郎 「竹柏記」
...よく下賤(げせん)な者の根性にある事だ」「飛んでもないことを...
吉川英治 「江戸三国志」
...下賤(げせん)の業(わざ)の呼び名ではなかったのである...
吉川英治 「宮本武蔵」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??