...網床めくものを結び付けたる中に半ば裸なる賤夫(ラツツアロオネ)のいと心安げにうまいしたるあり...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...休(いこ)ひゐる賤(しづ)が翁(おきな)を斧(おの)の柄(え)を手握(たにぎ)りもちて...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...又賤しむやうな心も同時に起る...
高濱虚子 「俳諧師」
...是は賤しきものなるぞ...
太宰治 「津軽」
...行商人(ぎょうしょうにん)という賤(いや)しい身分に自尊心(じそんしん)を傷(きず)つけられるのだった...
ロマン・ローラン 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...歯並みや賤(いや)しく...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...彼は何故(なにゆえ)に賤業婦を愛するかという理由を自(みずか)ら解釈して...
永井荷風 「妾宅」
...男は賤(いや)しく笑ひ乍らあんぐりと黒い口を開いた...
長與善郎 「青銅の基督」
...庶民より一階級下の賤民とされてゐた...
長谷川時雨 「凡愚姐御考」
...一方は一と眼で育ちが知れる極めて卑賤の相を持ち...
久生十蘭 「魔都」
...富貴も貧賤もただ本人のみずから取るにまかして...
福沢諭吉 「学問のすすめ」
...様々の口実を設けては賤妓(せんぎ)を弄(もてあそ)ぶを恥(はじ)とせず...
福田英子 「妾の半生涯」
...彼女の前に自分を賤(いや)しいものにするのはたまらない...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...その可否のごときは吾輩賤人の議すべきでないが...
南方熊楠 「十二支考」
...自ら卑賤に身をおとし世を捨て...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...徒(いたづ)らに事業を賤しみ...
山路愛山 「唯心的、凡神的傾向に就て(承前)」
...ツイせんだって賤(しず)ヶ岳(たけ)で七本(ほん)槍(やり)の名をあげた若い人たちをかえりみたが...
吉川英治 「神州天馬侠」
...下賤(げせん)というに違いない...
吉川英治 「茶漬三略」
便利!手書き漢字入力検索