...この死の威嚇によって賢さを身につけ知慧の心を有するに至ったであろうか...
田辺元 「メメント モリ」
...なんにも知るもんか! ずっと賢(かしこ)いお祖父(じい)さんが...
ロマン・ローラン 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...「観世太夫が、ある時、客に伴われて、とある温泉に逗留(とうりゅう)したことがあったと思召(おぼしめ)せ、その隣室に謡好きがあって、朝夕やかましくてたまらないものだから、太夫が客に向って曰(いわ)く、あの謡をやめさせてみましょうか、どうぞ頼む――そこで観世太夫が朗々として一曲を試むると、隣室の謡がパッタリと止まった、その日も、その翌日も、それより以来、隣室では謡の声が起らない――しかるところ、数日して隣室の客が代ると、また謡がはじまった、太夫殿、あれをひとつ頼む、先日の伝であれを退治してもらえまいか、太夫、答えて曰(いわ)く、あれはいけませぬ、どうして……先日のは下手(へた)といえども、自ら恥ずることを知るだけの力が出来ている、今度のは言語道断……恥というものを知らないから、拙者の謡を聞いても、逃げないで一層のぼせ上るに相違ない」という話を、北原賢次が、池田良斎に向って物語ると、良斎が、「全く世に度し難きは己(おの)れを知らざる者と、恥を知らざる者共だ」哄然(こうぜん)として笑いました...
中里介山 「大菩薩峠」
...北原賢次に案内されて...
中里介山 「大菩薩峠」
...彼らに先だって夏のうちに天山へと出撃した弐師(じし)将軍はいったん右賢王(うけんおう)を破りながら...
中島敦 「李陵」
...美しくて賢(かしこ)いお品の間に挾まつて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...きのうのみそ汁はお豆腐で、けさは葱(ねぎ)だというだけのちがいはあっても、大体は毎日おなじことをくり返すようなものだから、ここの掃除はこう、あの仕事はどうというように、こちらの指図の届かない一つ一つの仕事にも、自分でよく考えて手順をさだめ、日々それによって、洗たくでも掃除でも、手をかけたくらいなら、するところまでするという、しっかりした気をもって、短い時間に落ちなく立派にやりあげてくれるなら、ただにこちらが助かるばかりでなく、またみなさんの自修時間がふえるばかりでなく、めいめいがいつとなく、もっと賢い女、もっと頼み甲斐(がい)のある、しっかりした女になれると思います...
羽仁もと子 「女中訓」
...しかのみならず……此処が肝賢要(かなめ)……他の課長の遺行を数(かぞえ)て暗に盛徳を称揚する事も折節はあるので...
二葉亭四迷 「浮雲」
...なんてきみは賢いんだ」「でもポケットは空っぽでした」「問題ない...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部」
...優しい賢太郎が、大変困つて、電報配達になつてついこの間まで彼女を養つてゐたさうである...
牧野信一 「鏡地獄」
...「人間界上下賢愚一同に...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...(c)真に賢明にして偉大なる霊魂は...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...こういう聖賢の生涯の中には幾多のお手本が見出されるが...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...それが万一にも本誌の愛読者諸君のために……特に甲賀三郎氏の「探偵小説講話」を愛読される諸賢のために――「こんな観点も別にあるのだな」とか又は「これは甲賀氏の所論に対する一種の註釈だな」とかいう意味で...
夢野久作 「甲賀三郎氏に答う」
...どうか日頃の御賢明に返って...
吉川英治 「新書太閤記」
...聖賢の道を度外した国法は...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...この賢者、つねに(すき)(鍬(くわ))を杖として、天下に道を説いてあるき、(わしが死んだら、この(すき)で穴を掘り、骨を埋(うず)めよ)といっていた...
吉川英治 「梅里先生行状記」
...そこで跡始末は賢明な京都所司代板倉勝重によってなされたのであるが...
和辻哲郎 「鎖国」
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