...とかくするうちに和田勢は御ところに押し寄せ、日没の頃には、はや四面賊兵、あまつさへ御ところに火を放つものがあつたのでたちまちめらめらと八方に燃えひろがり、将軍家は、相州さまや入道さま、それから私たちお傍の者数人を引連れて故右大将家の法華堂へ御避難あそばす事になりまして、その時も将軍家は、お酒を召し上つた御様子はございませんでしたのに、御酒気のやうに拝され、お顔も赤く光り、さうして絶えずにこにこお笑ひになつて、時々立ちどまつては、四方の兵火を物珍らしげにお眺めになつて、こんなところへもしも賊兵が、と思ふとお傍の私たちは本当に気が気でございませんでした...
太宰治 「右大臣実朝」
...その幕府を目するに「賊兵」と呼び...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...ユウノフらを指揮してくだんの賊兵を逮捕せしに...
本庄陸男 「石狩川」
...賊兵の影が道をふさいでいる...
吉川英治 「三国志」
...女も逃がすな」賊兵の声々であった...
吉川英治 「三国志」
...逃げくずれる賊兵の軍衣にも...
吉川英治 「三国志」
...韓忠親分の讐(かたき)と怒りに燃えた賊兵は...
吉川英治 「三国志」
...「呉郡の孫堅を知らずや」と賊兵の中へ躍り入った...
吉川英治 「三国志」
...それさえ眼に入らぬ賊兵の足にたちまち踏みつぶされたかに見えた...
吉川英治 「三国志」
...何儀についていた賊兵は...
吉川英治 「三国志」
...するとすぐ、第三、第四の早馬がまた、こう急を朝廷へ告げていう――「ときを合せて、加賀、能登、越中の賊兵も、名越太郎時兼の麾下(きか)に、善光寺平(だいら)へ打って出て、ために土地(ところ)の守護国司らの官軍は、千曲川そのほかの戦場でことごとく打ち破られ、はや、手のくだしようもありません」と...
吉川英治 「私本太平記」
...梁山泊(りょうざんぱく)の賊兵七千が...
吉川英治 「新・水滸伝」
...さかんなる賊兵の指笛がどこかでつンざく...
吉川英治 「新・水滸伝」
...賊兵を追ッぱらって...
吉川英治 「新・水滸伝」
...海賊兵二十人ほど搦(から)め捕った恩賞に...
吉川英治 「親鸞」
...たくさんな海賊兵は...
吉川英治 「平の将門」
...「新皇は、しょせん、本皇には敵わないものだ」「官軍につけば、他日、恩賞もあろうが、賊兵につけば、かならず、首はあるまいぞ...
吉川英治 「平の将門」
...賊兵か、鎮台の者か」「わたくしが撃ちました」岡本軍曹は、毅然(きぜん)と前へ出て、小使の弁蔵を間諜と認めたという理由を陳(の)べていた...
吉川英治 「日本名婦伝」
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