...サイゴンでしきりにセメントを買いこんでいるあの怪人物だった...
海野十三 「火薬船」
...あなたから長いお手紙をいただき、ただ、こいつあいかんという気持で鞄(かばん)に、ペン、インク、原稿用紙、辞典、聖書などを詰め込んで、懐中には五十円、それでも二度ほど紙幣の枚数を調べてみて、ひとり首肯(うなず)き、あたふたと上野駅に駈け込んで、どもりながら、し、しぶかわと叫んで、切符を買い、汽車に乗り込んでから、なぜだか、にやりと笑いました...
太宰治 「風の便り」
...買いたいものが、あるなら、宿へそう言うがいい...
太宰治 「火の鳥」
...ちょうど庸三は煙草(たばこ)を買いに...
徳田秋声 「仮装人物」
...松木はそれを買い取ろうと...
豊島与志雄 「女心の強ければ」
...自分は免許状を持って居ると云う事を申出て来たからその話に乗り込んで中古のシボレー一台を買い込み...
中里介山 「百姓弥之助の話」
...英国大使が日糖株を買い込んで...
夏目漱石 「それから」
...時々姉の予期に釣り合わないようなものを買い込んだり着込んだりして...
夏目漱石 「道草」
...その靴(くつ)を買いました...
新美南吉 「売られていった靴」
...一思庵(いっしあん)の『一節切温古大全(ひとよぎりおんこたいぜん)』というのを買い...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...棕櫚繩を結んで買いとる庭木に目じるしをつけながら...
久生十蘭 「蝶の絵」
...私は其処で非常にまけて貰って五十銭丈青島卵を買い入れた...
松永延造 「職工と微笑」
...僕は今度到(いた)る処(ところ)の名物を買い込んで来たよ...
村井弦斎 「食道楽」
...充分私の買い方を知っての批評だとは思われぬ...
柳宗悦 「民藝四十年」
...翌日もやはり雨が降っていたが、彼は城下町までいって、出来合の裃(かみしも)や鼻紙袋や、扇子、足袋、履物などを買い、かなり金が余るので、妻のために釵(かんざし)を買った...
山本周五郎 「雨あがる」
...工場の職人たちが盛んに買いに来てくれるので...
夢野久作 「近眼芸妓と迷宮事件」
...さかんに売り買いされているという...
吉川英治 「随筆 新平家」
...源内秘伝の蘭薬を買いに出かけたのだが...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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