...先生がまあそんな醜いうそをついて迄自分を保たうとしてその為めに善良なT先生迄も貶すと云ふことがどれ程私にとつて驚くべきことであつたか分りませんでした...
伊藤野枝 「嘘言と云ふことに就いての追想」
...――毀誉褒貶(きよほうへん)は世の常だから覚悟の前だが――かの「デカダン論」出版のために...
岩野泡鳴 「耽溺」
...象徴派の貶斥に一大聲援を得たる如き心地あるは...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...何くれとなく仏蘭西を貶(くさ)した話ばかりした...
内田魯庵 「最後の大杉」
...如何なる不得意のものでも貶(けな)されると一生懸命になって弁明した...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...君は僕の石鹸(しやぼん)を石ころか何ぞのやうに貶(けな)しつけて...
薄田泣菫 「茶話」
...――これはいつたい褒められたのか貶されたのか...
種田山頭火 「其中日記」
...つけつけと自己崇拝の名優を貶(けな)しつける者があるのだから...
中里介山 「大菩薩峠」
...毀誉褒貶(きよほうへん)の外に立つべき所作であります...
夏目漱石 「創作家の態度」
...自分の方では他(ひと)を貶(けな)すんだろうと思った...
夏目漱石 「それから」
...幽霊の話などは初(てん)から「何(な)んの無稽(ばか)な」と貶(けな)した方だった...
沼田一雅 「暗夜の白髪」
...世間の毀誉褒貶(きよほうへん)は顧みない...
森鴎外 「蛇」
...世間の毀譽褒貶のなかにも...
吉川英治 「折々の記」
...つねに毀譽褒貶のなかにあつた...
吉川英治 「折々の記」
...世の毀誉褒貶(きよほうへん)を気にする性であった...
吉川英治 「三国志」
...毀誉褒貶(きよほうへん)にも...
吉川英治 「梅里先生行状記」
...有名でないのみならず後の伝説においてはむしろあらわに貶(おと)しめられている...
和辻哲郎 「孔子」
...キリストは人に貶される...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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