...はたして第一面には「聖寿万歳」と肉太(にくぶと)に書かれた見出しの下に貴顕の肖像が掲げられてあった...
有島武郎 「或る女」
...貴顕縉紳(しんしん)の邸宅へ接近することは出来なかった訳であるが...
谷崎潤一郎 「聞書抄」
...某々華族や貴顕紳士お近づきの歴史家ほどに沢山資料を有っているとは思えない...
戸坂潤 「社会時評」
...「貴顕の愛顧を求むるになれ枝より枝へと飛び移る小鳥のごとくに...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...強ひて貴顕や財産家と同じ世渡をしようとしてゐる人達である...
レオ・トルストイ Lev Nikolaevich Tolstoi 森林太郎訳 「パアテル・セルギウス」
...人によっては上人程のお方でも貴顕へは諂(へつら)っておいでになると謗(そし)る者がないとは限りません...
中里介山 「法然行伝」
...殊にパラティウム区域は帝政以前から貴顕大官の住居地となって...
野上豊一郎 「パラティーノ」
...羅紗表の毛皮外套(シューパ)を著こんだ貴顕紳士がざらに眼につくので...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...ロンドン府の如何なる貴顕富豪といえども...
穂積陳重 「法窓夜話」
...貴顕紳士は相替らず御贔屓(ごひいき)御入来を願うと張り出した...
南方熊楠 「十二支考」
...貴顕富豪宴游(えんゆう)の筵(むしろ)を開くそのためには...
三宅花圃 「藪の鶯」
...升屋は(まえに記したように)貴顕の客が多いので...
山本周五郎 「風流太平記」
...その後は恩顧の貴顕紳士に招かれ...
山本笑月 「明治世相百話」
...関東京坂の貴顕(きけん)の間にとり入って...
吉川英治 「江戸三国志」
...貴顕豪商というと彼女は生れぬまえからの仇敵(きゅうてき)のように反抗したくなるのである...
吉川英治 「かんかん虫は唄う」
...貴顕の拝領物かでなければならぬ...
吉川英治 「剣難女難」
...賤(しず)の夫(お)から富者貴顕にいたるまで...
吉川英治 「宮本武蔵」
...貴顕から民間にまで人気のある吉野太夫へ...
吉川英治 「宮本武蔵」
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