...彼は元來貴族的な性癖を持つてゐる男であつた...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...全然貴族的なる社会に在って...
辰野隆 「芸術統制是非」
...大阪も船場(せんば)あたりの家になりますと奉公人の礼儀作法がめんどうでござりましていろいろ格式をおもんじるふうがござりましたので小さな大名などよりも貴族的なところがあったくらいでござりますから大方父もそういう家庭にそだったせいでござりましょう...
谷崎潤一郎 「蘆刈」
...彼女は貴族的な自尊心をもっていた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...今までの穏かな貴族的なたしなみを失って...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...「学問というものの本質はもともと貴族的なものなんでしょう...
久生十蘭 「ハムレット」
...極めて貴族的な純白のコリーが...
宮本百合子 「犬三態」
...アントニーと云う貴族的な...
宮本百合子 「犬のはじまり」
...段々と「ファウスト」の第二部にある貴族的なギリシアへの復帰や有用人的見地へひろがって行った過程も面白うございました...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...『どうしてこんな山中にこんな貴族的な棺があるのだらう』と思ひつゝその唐草を精密に見て居ると僕はふと奇妙な事を発見した...
村山槐多 「殺人行者」
...貴族的な、血色のよい、品のある顔立であった...
室生犀星 「或る少女の死まで」
...その頸のほそいのがいかにも貴族的な香気をあたへました...
室生犀星 「ザボンの実る木のもとに」
...貴族的な風采(ふうさい)の旧藩主の家令と...
森鴎外 「余興」
...そこには貴族的なものも民衆的なものも共に見出されました...
柳宗悦 「美の国と民藝」
...決して高価な貴族的な品ではなく...
柳宗悦 「益子の絵土瓶」
...他は貴族的なのです...
柳宗悦 「民藝とは何か」
...技巧の複雑な貴族的なものを...
柳宗悦 「民藝とは何か」
...あの貴族的な香氣と陰影にやどす想ひは...
吉川英治 「折々の記」
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