...やがて精養軒の玄関へお抱(かか)え然たる一人乗を横付けした漣が貴公子然と取澄まして俥を下りる跡からヨタヨタ俥を下りて朴々乎(ぼくぼくこ)と従(つ)いて行く紅葉と私の二人の恰好(かっこう)は余り好(い)い図ではなかった...
内田魯庵 「硯友社の勃興と道程」
...どこか貴公子然たるところのある男であった...
田中貢太郎 「蛇性の婬」
...どこか貴公子然たる処のある男であった...
田中貢太郎 「雷峯塔物語」
...六の貴公子然たる読書生...
田中貢太郎 「涼亭」
...如何(いか)にも貴公子然としており...
久生十蘭 「平賀源内捕物帳」
...長安かなんぞの貴公子然として...
堀辰雄 「大和路・信濃路」
...貴公子然たるハルトマンに対してハイデッゲルは全くの田舎者です...
三木清 「消息一通」
...生白い貴公子然たる眼鼻立の青年であったが...
夢野久作 「女坑主」
...松居博麿氏は青白い貴公子然とした人で...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
...おまけに貴公子然としているからなあ...
夢野久作 「焦点を合せる」
...春浪君もまた一見貴公子然とした体躯の中に烈々たる気魄を蔵してゐて...
吉井勇 「青春回顧」
...上布の小袖を着ている貴公子然たる若侍だった...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...貴公子然と構えて...
吉川英治 「平の将門」
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