...三重子は確か十七貫くらいだろう...
芥川龍之介 「早春」
...これを實行し貫く性格の根強さを缺くとき...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...「神」に生きる者の寂寥と悲痛とを貫く痛いやうな必然に較べれば...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...私達を貫く本能の力強さ...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...西より平田を貫く...
大町桂月 「白河の七日」
...頸輪に貫くが如きは主要なる事なりしと信ず...
坪井正五郎 「コロボックル風俗考」
...思想は諸文化を貫く...
戸坂潤 「哲学の現代的意義」
...全篇を貫くモティーフは題名が最もよく示している...
戸坂潤 「読書法」
...この力をこの精神で貫くことだ...
豊島与志雄 「神話と青春との復活」
...作品全体を貫く方面に於て...
豊島与志雄 「文学への実感について」
...彼等の心と環境とを貫く寂しさを語り...
野口米次郎 「能楽論」
...意気地(いきじ)を貫くという事がどれほど至難であり...
長谷川時雨 「マダム貞奴」
...又その心理全體を突き貫く自分の心の祕奧...
福士幸次郎 「太陽の子」
...臍(ほぞ)を噬(か)んでいる胸元を貫くような午砲(ごほう)の響(ひびき)...
二葉亭四迷 「浮雲」
...互の感情がぴつたり合つたと思はれる時ですら二人の間を貫く何者かが...
北條民雄 「孤独のことなど」
...三人を引きうけて、匕首をぐうっと引きつけてかまえた雪之丞のうしろから、「よッ! 花村屋あ!」と、声をかけたが、「いい型だなあ、御見物衆が、おいでにならねえのが残念だ」が、二人の弟子を前に並べた門倉平馬の、覆面のあいだから洩れる眼光は、刺し貫くようだ...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...陽子の胸を若々しい歓ばしさと一緒に小さい鋭い悲しさが貫くのであった...
宮本百合子 「明るい海浜」
...一切の疑問の闇を貫く一道の光明が...
夢野久作 「暗黒公使」
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