...重さが唯ツた一貫目――「ハウンド」で厶(ござ)るが凄まじいお笑草だ子...
内田魯庵 「犬物語」
...美妙の生立ちには一貫した一条の悲劇的径路があったように聞いている...
内田魯庵 「美妙斎美妙」
...所謂大衆小説と呼ばるる無数の小説を貫く甘い涙ぐましさとかいうものであろうが...
辰野隆 「感傷主義」
...悪貫(あくかん)已(すで)に盈(み)つ...
田中貢太郎 「牡丹燈籠 牡丹燈記」
...洋装の時には見られない貫禄が添(そ)わっていた...
谷崎潤一郎 「細雪」
...後者にとっては社会的物質的存在の法則が歴史を一貫する原理であり...
戸坂潤 「科学方法論」
...更に広く他様式の芸術的表現全般を貫徹し...
戸坂潤 「思想としての文学」
...文学の〔党派〕的首尾一貫性をまで犠牲にしても...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...宗教・道徳・芸術・政治・経済が一以て貫かれ居ることを知る...
戸坂潤 「再び科学的精神について」
...あの火を消せ」「應(お)ツ」二人が一團になつて飛込むと、磯屋貫兵衞は、手燭の火を、物置の中のガラクタに移して居る最中だつたのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...主人の貫三郎が浮氣を始めたので...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...このうえまた一千貫では精がきれる...
久生十蘭 「無月物語」
...銃劒が心臓の真中心(まッただなか)を貫いたのだからな...
ガールシン 二葉亭四迷訳 「四日間」
...坪田譲治氏の二作「善太の手品」(行動)「父と子」(新潮)は共にその一貫した純情味を汲むに足るべきものであり...
牧野信一 「月評」
...筋向こうの屋根船には当時の落語家番付で勧進元の貫禄を示している初代春風亭柳枝が...
正岡容 「小説 圓朝」
...瘠せっこちの貫七爺(じい)は済まし返って右手を頭の上に差上げた...
夢野久作 「白くれない」
...酒肥りにデブデブ肥っていて体量も二十貫位ありそうに見える...
夢野久作 「暗黒公使」
...大川の三角洲(さんかくす)、四貫島、うす寒い川風が、蕭々(しょうしょう)と芦(あし)を鳴らしてやまぬ...
吉川英治 「鳴門秘帖」
便利!手書き漢字入力検索