...待ち設けた眠りを貪(むさぼ)った...
岩野泡鳴 「耽溺」
...突慳貪(つっけんどん)に断ってしまう...
谷崎潤一郎 「細雪」
...と突慳貪(つっけんどん)に云うンです...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...強情な突慳貪なのと違って...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...ただ貪婪(どんらん)な習慣から...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...血液の多量は貪慾の証拠だ...
豊島与志雄 「慾」
...腐れた肉を貪(むさぼ)る有象無象(うぞうむぞう)の浅ましい骸(むくろ)を...
中里介山 「大菩薩峠」
...快く昼寝の夢を貪って鼾(いびき)をかいている...
中里介山 「大菩薩峠」
...最初の一撃にしくじった妖怪の怒りに燃えた貪食(どんしょく)的な顔が大きく迫ってきた...
中島敦 「悟浄出世」
...凉しい木かげで休息する時は※を地上に敷いて兩掛の荷物を枕にして一睡を貪る...
長塚節 「旅行に就いて」
...「天下その真偽に惑い奸(かん)催眠術者の徒忽(たちま)ちに跋扈(ばっこ)を極め迷信を助長し暴利を貪(むさぼ)り思想界を擾(みだ)る」という状態にまでなったのである...
中谷宇吉郎 「千里眼その他」
...私は更に飽くことない貪慾な眼を据ゑて悪だくみに耽つた...
牧野信一 「熱い風」
...徐ろに享楽を貪らうといふ計画なのであつた...
牧野信一 「山男と男装の美女」
...九七五調の句独鈷(どっこ)鎌首水かけ論の蛙(かわず)かな売卜先生木の下闇の訪はれ顔花散り月落ちて文こゝにあら有難や立ち去る事一里眉毛に秋の峰寒し門前の老婆子薪(たきぎ)貪(むさぼ)る野分かな夜(よる)桃林(とうりん)を出でゝ暁(あかつき)嵯峨の桜人五八五調...
正岡子規 「俳人蕪村」
...いつも我意を張って弱い弟妹達の分前(わけまえ)まで貪りとっていた...
松本泰 「秘められたる挿話」
...自分はそれを貪(むさぼ)るようにして読んだ...
水野葉舟 「土淵村にての日記」
...僅かな安逸を貪っているのだと思うと...
宮嶋資夫 「恨なき殺人」
...まるで野獣が鶏でも貪(むさぼ)るような彼だった...
吉川英治 「雲霧閻魔帳」
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