...未だ生を貪(むさぼ)らずにはいられぬ彼自身を嘲(あざけ)ったりした...
芥川龍之介 「玄鶴山房」
...目前の貪婪(どんらん)に心火の限りを燃やして...
有島武郎 「或る女」
...彼はそれを貪り食い...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...蓋し醫は仁術なりの古風を學び謝禮金のみに止めて藥料の如きは貪らざるの主意なり...
石川啄木 「日本無政府主義者陰謀事件經過及び附帶現象」
...貪婪(たんらん)の羽蟲(はむし)の群(むれ)もなにかあらむ...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...自分(じぶん)の欺(あざむ)いている人間(にんげん)から給料(きゅうりょう)を貪(むさぼ)っている...
アントン・チエホフ Anton Chekhov 瀬沼夏葉訳 「六号室」
...息を押えて貪(むさぼ)るように乳を吸ってる音が聞えていた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...』貪るように煙草を吸い込みながら彼はこういった...
トルストイ 米川正夫訳 「クロイツェル・ソナタ」
...貪慾(どんよく)...
中勘助 「結婚」
...坊主の冒涜ぶりを貪看(どんかん)して...
中里介山 「大菩薩峠」
...己(おのれ)の当然嗣ぐべき位を奪った・そして執拗に己の入国を拒否する・貪慾な憎むべき・若い衛侯が在るだけである...
中島敦 「盈虚」
...貪慾の心は努(ゆめゆめ)発す可らず...
福沢諭吉 「女大学評論」
...僕は動物となツてまでも安(やす)さを貪(むさぼ)らうとは思はないからな!」沈痛(ちんつう)な調子(てうし)で恁(か)う云ツて...
三島霜川 「虚弱」
...われらを生け取って恩賞を貪(むさぼ)るのでなかろうかと囁き...
南方熊楠 「十二支考」
...衆生この園に入らば、貪慾、瞋恚、愚痴を発せず、昔瓶沙王(びょうしゃおう)登極(とうきょく)の初め、諸采女(うねめ)とこの園に入り楽しまんとせしに、一同自ら覚(さと)りて婬欲なく戯楽を娯(たの)しまず、その時王もし仏が我国に出たら我れこの勝地を仏に献ずべしと発願(ほつがん)し、後(のち)釈尊に遇って献じたという...
南方熊楠 「十二支考」
...現にその時も安閑として安逸を貪っているその人*のためにである...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...頭の底にコビリ付いている残りの睡たさを貪りながら...
夢野久作 「鉄鎚」
...金、虚名、貪慾、無節操、乱倫、阿諛(あゆ)、奸争(かんそう)、佞策(ねいさく)、何でも、利にしたがって、嗅覚の漁(あさ)りに奔(はし)り、ばかばかしい人間の理想などというものを、極端にまで、軽蔑(けいべつ)し合った...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
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