...なんというその身識らずの貪慾者(どんよくもの)であろう...
海野十三 「振動魔」
...兄貴が造(こしら)えて不当の利益を貪(むさぼ)って居るのを...
太宰治 「老ハイデルベルヒ」
...――貪著心を去れ...
種田山頭火 「一草庵日記」
...いつまでも快い夢を貪つてゐた...
近松秋江 「箱根の山々」
...貪欲(どんよく)で悪賢(わるがしこ)い鳥に対して...
ツルゲーネフ 神西清訳 「はつ恋」
...貪婪の獸は餌(えば)にあこがれて...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...睡眠にかけては実に貪婪なのだ...
豊島与志雄 「坂田の場合」
...「存在」の陰闇(いんあん)貪欲(どんよく)な力...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...暗い予言の実現する前に少しでも多くの快楽を貪ろうと只管(ひたすら)にあせるばかりである...
中島敦 「盈虚」
...宗助(そうすけ)は例(れい)の通(とほ)り一週(しう)に一返(ぺん)の樂寐(らくね)を貪(むさ)ぼつたため...
夏目漱石 「門」
...刻々に変つてゆく現象をもつと接近した場所で貪り見たいといふ欲望と...
原民喜 「書簡」
...人魚はこうして貪婪(たんらん)にひかる眼つきをしてしきりに魚をとらえて食べましたが...
火野葦平 「人魚」
...眠を貪るやうにこそこそと行火に伏した丸い背が...
水野仙子 「四十餘日」
...前述驢様の長耳を持ったフリギア王ミダスは貪慾で自分の糞を金に変えたと伝えられ...
南方熊楠 「十二支考」
...そして貪欲は今までうす暗がりの中でなすこともなく暮してきた商家の手代の心の中に...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...我(われ)を以(もつ)て貪(たん)と爲(な)さず...
司馬遷 箭内亙訳註 「國譯史記列傳」
...その知恵は貪欲(どんよく)に通じるように思える...
山本周五郎 「青べか物語」
...貪(むさぼ)って軍功をあげい」「されば...
吉川英治 「新書太閤記」
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