...強大なる民族の貪婪なる欲望に奉仕するための奴隷となすことなかれ...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...然し慳貪(けんどん)だ...
石川啄木 「鳥影」
...何処で貪食家共はさういふ家族の最後を見る事が出来るだらう?』『九百万の卵!』とエミルが叫びました...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...貪るようにしてそとを眺めた...
大杉栄 「続獄中記」
...君たちは誰かからこのように言われると、ことに、私のように或る種の札(ふだ)つきみたいに見られている者から、こんなことを言われると、上品を装った苦笑を伴い、太宰先生のお説によれば、私は貪婪、淫乱、剛の者、大馬鹿先生の一人だそうであるが、などと言って軽くいなそうとする卑劣なしみったれ癖があるようだけれども、あれはやめていただく...
太宰治 「如是我聞」
...アルコールとして貪らないで酒を味へ...
種田山頭火 「一草庵日記」
...オツチヨコチヨイを清算せよ、貪心を去れ、――事実に即していへば、梯子酒を飲むなといふのである...
種田山頭火 「松山日記」
...であるから、実際の人生の渦中にあるものには、貪著を戒め、遁世の道にあるものには、欲に近づくことを勧めるといふのが、一番本当のことである...
田山録弥 「新しい生」
...昼寝の甘睡を貪(むさぼ)っていること幾時――自分の存在を知らしめないだけの天地の上に...
中里介山 「大菩薩峠」
...貪(むさぼ)り嗅ぐのでありました...
中里介山 「大菩薩峠」
...勞働者(らうどうしや)の多(おほ)く貪(むさぼ)らねばならぬ強健(きやうけん)なる胃(ゐ)は到底(たうてい)軟(やはらか)な物(もの)に堪(た)へ得(う)る處(ところ)ではない...
長塚節 「土」
...すると黒点が私の貪婪な眼眸(まなざし)の中に留つた...
中原中也 「ヂェラルド・ド・ネルヴァル」
...貪(むさ)ぼると云う名さえつけがたき...
夏目漱石 「虞美人草」
...数多くの哲学者たちによって貪欲に受け入れられてきた...
デイビッド・ヒューム David Hume 井上基志訳 「人間本性論(人性論)」
...いまや貪婪な窓と交代して...
ライネル・マリア・リルケ Rainer Maria Rilke 堀辰雄訳 「窓」
...高い家賃を貪ろうとする...
夢野久作 「街頭から見た新東京の裏面」
...Q川はS川の水源を集めて貪婪になればなるほど...
横光利一 「静かなる羅列」
...イギリスが阿片戰爭の前後に取つた暴戻貪欲な資本主義的侵略に...
吉川英治 「折々の記」
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