...色の淺黒い貧相な一人の藝妓が...
石川啄木 「菊池君」
...書記はあなたの時と同じあの貧相な人でした...
伊藤野枝 「ある女の裁判」
...あの小さくて貧相な...
太宰治 「右大臣実朝」
...貧相な男按摩は、薄気味の悪い白眼を剥(む)き出して、折々灯(ひ)の方を瞶(みつ)めていた...
徳田秋声 「新世帯」
...一度お銀の舅(しゅうと)であったらしい貧相な爺さんであった...
徳田秋声 「黴」
...貧相な窓に射し込んでゐた...
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー Jean Nicolas Arthur Rimbaud 中原中也訳 「ランボオ詩集≪学校時代の詩≫」
...「とに角、貧相な先生だ...
南部修太郎 「猫又先生」
...あのころは青んぶくれの見るかげもない貧相な小娘でしたが...
久生十蘭 「ハムレット」
...貧相な上眼づかいでジロジロとながめていたが...
久生十蘭 「我が家の楽園」
...貧相な女の子の姿が...
堀辰雄 「幼年時代」
...長靴履きの小さな貧相な老人の顔と正面衝突してしまった...
正岡容 「寄席」
...たちまち路傍に窶(やつ)れ果てた貧相な男を見付け...
南方熊楠 「十二支考」
...人間としてどんなに狭く貧相な感情の種目で...
宮本百合子 「異性の間の友情」
...やや貧相な中に生動する何ものかがあり...
宮本百合子 「金色の秋の暮」
...貧相な店に置かれるような安物だから...
柳宗悦 「苗代川の黒物」
...貧相なしなびたようなとしよりで...
山本周五郎 「似而非物語」
...躯つきも顔だちも貧相な...
山本周五郎 「落葉の隣り」
...心の貧しい――いわゆる貧相な人々のことである...
吉川英治 「親鸞」
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