...色の淺黒い貧相な奴が...
石川啄木 「菊池君」
...中流社会の生活伝統といったものが、黴もはやさず、花も咲かせず、しっとりと落付いている恰好で、万事万端につけて、貧相な点もなく、贅沢な点もなく、野心もなく、失意もなく、まさに中庸を得ているというわけなのである...
豊島与志雄 「坂田の場合」
...頬のこけた禿頭(はげあたま)の貧相な男が汚れた縞(しま)の風呂敷包を店先に並べた古本の上へ卸しながら...
永井荷風 「※[#「さんずい+(壥−土へん−厂)」、第3水準1-87-25]東綺譚」
...「とに角、貧相な先生だ...
南部修太郎 「猫又先生」
...布直衣に乞食烏帽子をかぶった貧相な青児(あおこ)をひりだしたら...
久生十蘭 「うすゆき抄」
...円い眼をした貧相な男が...
久生十蘭 「キャラコさん」
...口髯ばかりいかめしい貧相な男が...
久生十蘭 「雲の小径」
...羽着きの薄い枯笹色の貧相な鶏で...
久生十蘭 「春の山」
...貧相な上眼づかいでジロジロとながめていたが...
久生十蘭 「我が家の楽園」
...白髪の目立つ五十がらみの貧相な老人が...
正岡容 「寄席」
...「ちょうどいい」貧相な顔を輝かして老人は...
正岡容 「寄席」
...うっとうしい階段を昇って、貧相な、なんの飾りもない自分の部屋に入る...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トビアス・ミンデルニッケル」
...寡黙な蒼白い貧相な憂鬱な男で...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トリスタン」
...貧相な店に置かれるような安物だから...
柳宗悦 「苗代川の黒物」
...まだ若い貧相な男で...
山本周五郎 「思い違い物語」
...五十がらみの貧相な男で...
山本周五郎 「さぶ」
...貧相な姿はまる見えだった...
山本周五郎 「へちまの木」
...貧相な戸山警察医のほかに...
夢野久作 「巡査辞職」
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