...貧乏な上に病気にとりつかれたみじめなおれにあいそをつかして...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...そのなかに貧乏な農夫(ひやくしやう)が一人あつた...
薄田泣菫 「茶話」
...貧乏な宗鑑と同じやうに金が欲しくて仕方がなかつたのだから...
薄田泣菫 「茶話」
...俺だつて君以上に貧乏なんだぞ...
武田麟太郎 「現代詩」
...」「貧乏なので、世界的なのだ...
太宰治 「パンドラの匣」
...貧乏な医者は、患者があまり早く全快することを決して喜ばないものだ...
戸坂潤 「現代日本の思想対立」
...――そうだ、貧乏な者には、結婚のことなど言い出せないのかも知れない...
豊島与志雄 「紫の壜」
...貧乏な様子ではあるがりっぱな性質らしいことなど...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...自分より貧乏な親類の...
夏目漱石 「道草」
...貧乏な腰弁の一青年の写真を忍ばせようとは...
野村胡堂 「笑う悪魔」
...こんな貧乏なアパートに越して来たものの...
林芙美子 「新版 放浪記」
...その一点で再び相見た時には吾々は、やあ、やあ! と挨拶を交し、共々に円周圏を抜け出て、直線上に轡をならべて、一路オリンパスのアポロの門を目がけて、車を駆るべき歩兵隊の一員なのだが――ただ、その第二の屯所までに到るべき円周の道を異へてゐるのだ、どちらがより健全に、より速やかに第二の屯所に行き着くかといふ比較をすれば、貧乏なもので、日増に値段の安い酒を飲んで二日酔、三日酔でぶつ倒れて、唸つたりしてゐるよりは、たとへ、感違ひの真面目な道であらうとも額に汗を流して車をおして行く兵士の方が結局爽やかに、より速やかにアポロの通りに行き着ける……」W「僕は兵士ぢやない芸術家だ、そして小説家だ...
牧野信一 「新興芸術派に就いての雑談」
...判ることは貧乏なこととその貧乏をとりつくろふことをしない人であることだけは頷ける...
室生犀星 「はるあはれ」
...貧乏なわたしを公費をもって元老官舎に養うよう命ずるよりほかに...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...町に出たとて貧乏な荒物屋で再び埃(ほこり)をあびる...
柳宗悦 「苗代川の黒物」
...鼬(いたち)貧乏な...
ルナアル Jules Renard 岸田国士訳 「ぶどう畑のぶどう作り」
...その貧乏な里親が恋しくて...
若杉鳥子 「雨の回想」
...貧乏な建仁寺では...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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