...彼は又その客を換へて貧しい者をその饗宴に招いた...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...貧しいながら自分の信仰を語って倦まなかった...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...その貧しいみのるの姿を後から眺めた時の義男の眼には...
田村俊子 「木乃伊の口紅」
...若い作者中条百合子の『貧しき人々の群』などはこれに属する...
田山録弥 「小説新論」
...一ミル爺(じい)さんは貧しい船乗りでした...
塚原健二郎 「海からきた卵」
...放浪の貧しい日々を送った...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...妙に虚勢を張った所の目立つ・貧しさばかりである...
中島敦 「環礁」
...それに学校時代になぞ、粗末な身なりをした貧しい朋友たちが、習慣的に腰をかがめて、一種の卑屈な惧(おそ)れを抱きながら、おれやおれの同類を、唯々諾々と主人株、指導者として承認するのを見ていたから、おれは自分が、好意的な軽蔑をもって、貧しい者、不幸な者、そねむ者たちを見下す権力のはじめから備わっている、あの上層の富裕な恵まれた階級に属する一人だということを、すでにはやくから喜ばしくも自覚していたではないか...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「道化者」
...貧しい子供の上着をもつて...
水野仙子 「嘘をつく日」
...貧しい女小作人がいる...
宮本百合子 「インターナショナルとともに」
...貧しさと境遇のためなんだから」「私はそうは思いません」と登がいった...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...片方は貧しい弱い人たちですよ...
山本周五郎 「雪の上の霜」
...僅(わず)かに貧しい細毛が所どころ昔の激烈な争いを物語りながら枯れかかって生(は)えていた...
横光利一 「ナポレオンと田虫」
...彼も自分も貧しい一介(いっかい)の浪人であった頃から...
吉川英治 「日本名婦伝」
...もしこの貧しい露店の物売りに損害をかけたら取ッちめてやろうと睨みつけていたが...
吉川英治 「宮本武蔵」
...いと貧しい世帯道具が一車(ひとくるま)...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
...国民は全体としてはかかる租税と奨励金とによってより富みもせずより貧しくもならないであろう...
デイヴィド・リカアドウ David Ricardo 吉田秀夫訳 「経済学及び課税の諸原理」
...最近まで貧しい平民であった翁の前に...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
便利!手書き漢字入力検索