...………信輔はこの貧困を憎んだ...
芥川龍之介 「大導寺信輔の半生」
...お前は貧乏だと云ひ乍ら...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...どこにも(最も貧し気(げ)に見える家にさえ)何かしら一寸した興味を引くものがあった...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...書記はあなたの時と同じあの貧相な人でした...
伊藤野枝 「ある女の裁判」
...大変家の貧乏だった煎餅屋の悴を弟子に取るだけのことも出来ました訳……長次郎は至って気質(きだて)の温(おとな)しい男で...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...家の中はまるで赤貧洗うがごとしじゃないか...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...貧乏は持ち前のことだし...
豊島与志雄 「三木清を憶う」
...「弁護士はあかん、官吏がええ、恩給がつく」と、貧乏で、六十歳になっても、古着を背負って、電車の無い頃の大阪の隅から、郊外の遠くへまでも歩かなくてはならぬ父にとって、恩給という事が、何んなに有難く見えたか!「しっかりやれ、人間も、恩給もらうようになったら楽や」国を出奔してきてから、最高収入六七十円の父は、四十年間を、働きづめに働いてきて、猶働かなくては暮らせないのである...
直木三十五 「死までを語る」
...あるいは貧乏だからこれほど上等の物はそろわなかったかもしれぬが...
永井隆 「この子を残して」
...貧乏人だから金で手前と競争するわけにゃあいかねえ...
中里介山 「大菩薩峠」
...この辺は決してその材料に貧しいところではありません...
中里介山 「大菩薩峠」
...貧乏も惡くないと思ふだらうよ」惡者一人火刑(ひあぶり)にしても...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...ドーナルは貧(まず)しい男(おとこ)に言(い)った...
ダグラス・ハイド Douglas Hyde 館野浩美訳 「首なし」
...これは甚だ貧弱で...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...謂わばわれわれの貧乏が貧乏としてしかうつらないようなぐるりの有様だから...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...姫君の生母の貧弱さを人目にさらすだけで...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...それは見るからにここいらの貧乏百姓の児(こ)と感じの違った...
夢野久作 「巡査辞職」
...猿めいた面貌(おもざし)をした貧しい旅の一青年に会い...
吉川英治 「茶漬三略」
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