...名声もなく貧困な彼...
ヴァレリイ 坂口安吾訳 「〔翻訳〕ステファヌ・マラルメ」
...二葉亭が遊戯分子というは西鶴や其蹟、三馬や京伝の文学ばかりを指すのではない、支那の屈原や司馬長卿、降って六朝は本(もと)より唐宋以下の内容の空虚な、貧弱な、美くしい文字ばかりを聯(なら)べた文学に慊(あきた)らなかった...
内田魯庵 「二葉亭四迷」
...現世に於ける貧(ひん)は来世に於ける富(とみ)を以て報いらるべしとのことである...
内村鑑三 「聖書の読方」
...貧しい学生すら学問をし...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...太宰といふ作家がその愚かな経験と貧弱な空想を以て創造した極めて凡庸の人物たちばかりである...
太宰治 「お伽草紙」
...クラスで最も貧弱な肉体をして...
太宰治 「人間失格」
...貧時には貧を貧殺せよ...
種田山頭火 「行乞記」
...貧乏しないで済む筈ではないか...
戸坂潤 「イデオロギー概論」
...貧しい生まれでありながらおつにすましてもったいぶった...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...貧乏な親戚の者と会食する役目をいやがって...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...想像力がとても貧弱で...
直木三十五 「大衆文芸作法」
...代助はそれを見(み)て、貧弱な工業が、生存の為(ため)に無理に吐(つ)く呼吸(いき)を見苦(みぐる)しいものと思つた...
夏目漱石 「それから」
...教養のない貧しい民族ほど戦争好きなものはないやうに考へられる...
林芙美子 「浮雲」
...あなたの生徒は貧しい女の子ばかり――小作人(こさくにん)の子供たちか――上等の部で土地持の百姓の娘たちなんですよ...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...つゝじ咲(さい)て石うつしたる嬉しさよ更衣(ころもがへ)八瀬(やせ)の里人ゆかしさよ顔白き子のうれしさよ枕蚊帳(まくらがや)五月雨(さつきあめ)大井越えたるかしこさよ夏川を越す嬉しさよ手に草履小鳥来る音嬉しさよ板庇(いたびさし)鋸(のこぎり)の音貧しさよ夜半の冬のごときこれなり...
正岡子規 「俳人蕪村」
...貧民は割合にほとんど利益を蒙らず...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...「閲歴」をふりかえって何かそこからみみずの糞のような気休めでもさがしたい程貧弱な気分でもありません...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...「その、――」と栄二はきいた、「お上からそんな金や米が来るというのは本当ですか」「それがこの寄場の特別なところです」江戸市中には田舎から出て来た者や、天災、貧困、性格などから、多くの浮浪者や小泥棒などが絶えない...
山本周五郎 「さぶ」
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