...「貞(さあ)ちゃん」とうとう黙っているのが無気味(ぶきみ)になって葉子は沈黙を破りたいばかりにこう呼んでみた...
有島武郎 「或る女」
...その跡にはどうかして貞世を活(い)かしたいという素直(すなお)な涙ぐましい願いばかりがしみじみと働いていた...
有島武郎 「或る女」
...徹頭徹尾のお貞さんの作であり...
今井邦子 「水野仙子さんの思ひ出」
...医学博士赤沢貞雄(あかざわさだお)」とあって...
海野十三 「三人の双生児」
...まず妾は貞雄に向い...
海野十三 「三人の双生児」
...曽我貞一は、連れの神田の興奮に青ざめたような顔をチラリと見たうえで、老人に、止めることを頼んだ...
海野十三 「西湖の屍人」
...頼光四天王の一なる貞光は...
大町桂月 「碓氷峠」
...では貞之助さん、悦ちゃん、こいさん、皆さんによろしく十一月廿八日鶴子幸子様「その手紙、あんたどう思いなさる」幸子は妙子に話す前に、その晩それを先ず貞之助に見せたのであった...
谷崎潤一郎 「細雪」
...いつもなら、先妻の子供があるなどと聞くと、その子供達の出来不出来だの、年恰好(としかっこう)だのを、相当問題にしたがるのだけれども、今度はそう云うことにも余りこだわらず、どうせ一遍東京へ帰らなければならないのだから、皆で大垣まで送って来てくれるなら、蛍狩もいやではない、と云う風な口ぶりなので、やっぱり雪子ちゃんはお金持の所へ行きたいのかなと、貞之助は云った...
谷崎潤一郎 「細雪」
...国貞(くにさだ)...
永井荷風 「江戸芸術論」
...三春町の川又貞蔵からジョン・スチュアルト・ミルの著書で...
服部之総 「加波山」
...」前の車のなかから貞時がこう呼ばわり...
室生犀星 「津の国人」
...貞世は記してゐる...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...常葉範貞(ときわのりさだ)...
吉川英治 「私本太平記」
...新参の武士どもの氏素姓(うじすじょう)を名簿に書きあげていた兵事奉行の吉良貞義は...
吉川英治 「私本太平記」
...筑後守貞能(ちくごのかみさだよし)に向って...
吉川英治 「親鸞」
...以後、禁門の内では、自然、貞盛と行き会うことも多かったが、貞盛はつねに、貴公子然と構えて、滝口の平武者(ひらむしゃ)などと、親しみのあることは、恥みたいな顔つきだった...
吉川英治 「平の将門」
...貞盛の行方は、とんと、知れぬが……その妻とて、正しく、仇の片われ」と、部将の多治員経(たじのまさつね)や坂上時高(さかのうえのときたか)などは、大いに誇って、彼女らを辱め、やがて、将門の前へ曳いて来た...
吉川英治 「平の将門」
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