...豪い方だからお近付になつて置け...
石川啄木 「菊池君」
...『壯健(たつしや)で豪い人になつてくれ...
石川啄木 「雲は天才である」
...儂の方が豪いよ」「梯子は建築だろうが...
海野十三 「雷」
...……博士になる人は豪いものだ...
海野十三 「雷」
...人間よりもっと豪い生物が必ずいるに遺いないのです...
海野十三 「○○獣」
...定めし豪い腕前の人があるでがせうが...
田中正造 「土地兼併の罪惡」
...貴様のやうな豪い奴が...
田山花袋 「重右衛門の最後」
...お父さんは大変豪い人だったような気がするよ...
豊島与志雄 「同胞」
...若い豪い博士として向うの家に乗り込んで...
豊島与志雄 「舞踏病」
...豪いんだそうだよ...
豊島与志雄 「南さんの恋人」
...」「おばさんとどっちが豪いんだい...
豊島与志雄 「南さんの恋人」
...まだお若いに豪(えら)いものじゃな」「豪いものじゃ...
中里介山 「大菩薩峠」
...豪いと話されたのでさう思つたのであつた...
長塚節 「竹の里人〔一〕」
...扨此のハリダースが定に入らんとするに當つては先づ自ら幾日間定に入ると云ふことを極める、而して其の間棺桶の中へ入つて地面の下へ埋まれ、マルで空氣も何も通はぬやうにしてしまふ、それから豫定の三週間なり四週間なりの時日が經つと之を掘上げる、其時はマルで死人同樣であるが、一定の手段方法によつて段々生返つて來るのである、彼のハリダースと云ふ人間は一番長く此の定に入ることが出來たのであります、で尚詳しく定に入る時の状態をお話申しまするですが、先づ定に入る前の豫備からして話しませう、ハリダースが定に入る最初の手段は、先づ自分で呼吸を止めると云ふことであります、是れは印度人の定に入るものヽ皆やる所であつて、是をするには中々長い間の修業を要する、先づ舌を延ばして上の方へ卷上げて喉頭を押へて呼吸を自分で止めるのであるが、初少しばかり押へる間は尚ほ微に呼吸が通ずるが終りには死人同樣に全然息が止つて而も何等の苦痛を感じないやうになる、が此の息を止める前には尚色々の豫備が要る、で愈定に入ると云ふことになりますと、其の二三日前からして此のハリダースは下劑を飮みまして而して腹の中の物を下し、其の間は牛乳を少しばかりづヽ飮むが他のものは一切取らない、何でも腹の中に物があると工合が惡いと見えて、今日入定するといふ日になると一寸より少し廣い位な布の片で、長さは三丈ばかりもある所の細長いものを口からして飮み込む、素人には中々出來さうもないが、練習をすると容易に出來るやうになる、而して彼の布片を一度飮み込んでしまふと又た次第に片端から引上げて來る、是れはツマリ胃の中を掃除して穢い物や何かを取去る爲である、それからして又大きい風呂桶の樣な桶に自分の肩位迄浸るやうに水を灌ぎ、而して細い管を肛門に挿込んで、それから水を容れて吾々の灌膓すると同樣に、穢物を出して膓の掃除をする、夫れが終ると今度は綿に油のやうなものを浸して鼻の孔や耳の孔等を塞いでしまふ、而して地面へは大風呂敷のやうな布を敷いて、其上に所謂結跏趺坐するのであります、それから前に言つた舌を捲き上げ定に入るのである、其の定に入つた人のことを書いたものを讀みますると次のやうなことがある、ズツと坐り込むと初めには先づ何だか身體の内方々に音聲が聞える、是は或は血管中の血の循環と云ふやうなものかも知れぬが、心臟の邊から首の邊、夫れからして眼の中程の處にまで音がする、而して其音が段々色々に變つて來る、初は皷のやうな音がするが、次には海の浪のやうな音、夫れからして雷の響、鐘の聲、貝を吹くやうな音、笛のやうな音となり、終には蜂の鳴くやうな音が聞えると云ひます、夫れから眠るが如く定に入つてしまふのであります、而して此等の事は澤山の人間の見物の眞中でやるのである、愈定に入つて殆ど死人のやうに成つてしまふと、傍の者が下に敷いてある大風呂敷のやうなもので其體を包んで、之を棺桶の中へ入れ地面の下へ埋める、或は又其の儘にして打遣つて置いても宜い、一週間も斯う云ふことをやつて居るのは印度人には決して珍らしくない、がハリダースは四十日間も地中に在つて、何ともないと云ふのであるから、世人からは非常な尊敬を受けたのである、ハリダース自身の話に據れば、彼れは一年間やつても善いと云うて居る、一年間は試みた事はないが四十日間位は確にやつたのであります、一番初めて其の試驗をやりましたのが、西暦千八百二十八年でありまして、ハリダースを知つて居る印度の土人が或地方の裁判所の役人となつて居つた、其の人が非常にハリダースを信仰して居るので、何うか彼の不思議な働きを其地方の兵營の中で試驗して貰ひたいと軍司令官の處へ申出ました、併し英人は今まで實地を知らぬのであるから、若し死んでしまふやうな事があつては迷惑であると思ひ中々許さなかつたが、其の知人は既に實驗して居る事であるから、決して死ぬ氣遣ひはない、何卒嚴重な監督の下で試驗を遣つて貰ひたい、然うすれば世人の信用を博する上に於て非常な利益があるといつて再三願つた、司令官も夫れならば遣つて見たが宜からうと云ふので、終に試驗をやることになりました、其の時は兵營の中庭を擇びまして入定の處となし、無數の見物人の中で其の術を行ふた、ハリダースが定に入つてからは三尺ばかりの深さに掘つた地中に埋めた、のみならず萬一の詐欺を防ぐが爲に、二時間交代の番兵を置き、少しも他人の立寄ることを許さぬことにした、斯の如くにして三日ばかりは無事に經過したが、當時の軍司令官は其時私かに思ふには、自分はハリダースの試驗を許すは許したが、三日までも地下に埋め置き、食物も與へなければ水もやらず、空氣も通はぬ、彼は死ぬに相違ない、兵營の中で斯樣な事をして萬一人を殺しては法律上自分も責任を負はなければならぬ、迷惑であると甚だしく不安の心を生じて、直に掘出しを命じた、併し前の土人は一向差閊ない、當人自分が定から出ると云ふた通り夫れまで打遣つて置いて呉れと頼んだ、けれども何うしても聽かず、遂に三日目に掘り出した、處が其の體は既に冷く成つて死人同樣である、で軍司令官は是れはしまつた、何うしても死んだに相違ないと考へました處へ、ハリダースの弟子が來て色々な術を行つて、不思議にも到頭又生返つた、其の手術といふのは先づ油をハリダースの頭へ灑いで、而して頭を頻りと摩擦した、夫れから眼だの手だの足だの殊に心臟の處を摩擦する、ツマリ熱を發せしむるのであらう、然う云ふやうな工合に遣つて居ると、初め十五分間ばかりは何の異状もなく死人同樣であつたが、夫れから段々と生きて居るやうな兆候が現はれて來て、一時間の後マルで舊の如く生返つて了つた、身體も精神も平常と何等の違ひはなくなつた、印度人は斯う云ふ事をするものがあると、非常に豪い人、聖人であるとして三拜九拜し、神よりも以上のものとして居るのである、兎に角是れが最初の試驗で、夫れから又再三試驗をしたが、最後に前よりは九年ばかりの後、千八百三十七年の歳、最も嚴重な試驗を行ふた...
松本文三郎 「印度の聖人」
...未開時代には猴を豪い者とし...
南方熊楠 「十二支考」
...東洋にはずっと豪いのがあって...
南方熊楠 「十二支考」
...あの日本一の豪い仏教学者を食うに困らせるとは...
横光利一 「夜の靴」
...豪い男だと思いますね...
横光利一 「旅愁」
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