...台風が過ぎ去り、この地には豊饒な雨が降った...
...この地は土地柄豊饒だから、農業に適している...
...豊かな自然に恵まれ、この地は豊饒な漁獲物が得られる...
...彼の作品は表現力豊饒であり、多くの人を魅了する...
...地球温暖化の影響で、豊饒な農業地帯でも収穫量が減少している...
...何分にも農場は太古から斧鉞が入らない原始の豊饒な土地なもので麦などは実に見事に出来るのですがそれにいゝ気になつて...
有島武郎 「農場開放顛末」
...今や豊饒な耕作地となっている...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...幸いにもその年は豊饒で...
田山花袋 「トコヨゴヨミ」
...そして今二人いっしょにいると豊饒(ほうじょう)な気がした...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...しかし友のそういう長所は、彼のうちに、豊饒な土地に、移植されると、まったく異なった力で生長していった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...その豊饒(ほうじょう)な肉体の弾力のある充実を...
長谷川時雨 「江木欣々女史」
...木賀に豊饒な封地をもち...
久生十蘭 「金狼」
...漁師どものうち、其村出生の者、先達(せんだつて)、村に立帰りし時、彼の島といふは、五穀豊饒、魚貝鳥獣多く、日本のやうに不自由することあらじ、一村のこらず引越すならば、主人、地頭と言ふも居らぬゆえ、頭を抑へられる事なし、安楽世界とは、彼の島の事ならんなどと言ひしよしなるが、一村を挙げて欠落したるところより推せば、漁師どもの話に釣られ、その島に行きしものならんと「風聞雉子声」に見えたり、田中市太夫、深志甚十郎、七尾仁兵衛上書一、依御下命、文政丙戌九年十月二日、閉伊郡釜石、藤代長右衛門船にて北郡大湊を開帆、同十五日朝、八丈島、同十八日青ヶ島、鳥島を見過し、同月廿二日、八丈島の南三百里の処にて御申聞せ候無人島に行当り申候一、島之模様、十七八里程廻りの島一ツ一、十二三里程廻りの島一ツ一、廻り一里、二里、三里程づつの島十五程御座候一、猶、右之島々より南三十里ほどの処に、廻り十七八里、廻り十四五里の島四ツ一、十七八里程の島の高さ、伊豆大島の山より稍々高き程、湊(みなと)に可成所一ヶ所、西南に向ひ、広さ三町程、船二三十艘も繋ぎ可申、深さ干潮にて二尋、満潮にて四尋斗一、右十七八里程之島、田地に成可二町四方程の平地一ヶ所、切畑に成可一町四方程の平地、四五ヶ所も有之、人居申様子見えず、住荒したる体も御座無、天然無人の島と相見え申候一、右之島、山の谷々より水の流れ沢山に御座候、川の広サ二三間程、小石多く、浅き川に御座候一、端舟にて廻り見申候処、十四五、十二三里までの島々には、いづれも湊一二ヶ所づつ、水の流も有事、一町四方より四五反まで平地、一二ヶ所づつ一、二三里廻りの小島十四五斗、共に平地御座無、船繋に可成申候処相見へ不申一、以上之島、何れも無人島にて、大木生茂り、魚色々見申候、獣之類は御座無候か見合不申候右之島々に在之木之分一、蘇鉄 一、しゆろ 一、かしはの木一、みさぎ 一、桑の木 一、むくろじ一、朴 一、蛇紋木一、いづれも二抱三抱程の大木にて、棕櫚も林程多く御座候、磯とべらに幹廻り高さ十三尋程、茗荷の葉の様なる大木、その他、椰子、檳榔の木の様成ルも相見え申候一、右之島にて、鳥は鶯、岩つぐみ、山鳩、五位鷺の形なる柿色の鳥、鴎に似て魚を取(とり)候鳥(とり)一、魚は黒鯛、鯔、鮫、三尺斗の海老、三尺程も有ル章魚、亀は畳一畳程も有之青海亀、瑁(たいまい)、獲立も不成程、磯海苔の間、八尋より十尋程の海中に珊瑚沢山に有之、二月三月の内は鯨夥しく通行致候右之島にて取立申候物産一、赤珊瑚 ボケと申し、枝々スキ透ル、稀品の由、根本径二寸、枝ノヒロガリ三尺余、重サ三貫目以上のもの一ツ、一、白珊瑚、桃珊瑚、一貫目ほどのもの四ツ、外に枝珊瑚、珊瑚屑、十貫程有之一、瑁(たいまい)背甲五百六十七枚、縁板千七十二枚、尤モ島ニテハ焼継、寄継不叶、背甲のまま一、古柯の葉 薬草として稀品也、十貫目以上一、蛇紋木 径六寸、丈十二尺のもの十本右物産天草島にて唐船に売渡申候仕訳一、珊瑚 総体ニテ二万五千百二十両一、瑁(たいまい)総体ニテ一万二千百両一、古柯 三千七百両一、檳榔 三百四十両一、船は於長崎売払、陸地罷帰り申候 以上文政己卯二年十二月上書(あげがき)を読み終るのを待って、久太夫が深志にいった...
久生十蘭 「ボニン島物語」
...人が豊饒のまっただなかに暮し...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...彼らは社会の一方に豊饒を見...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...より豊饒な発育性を切望しているのが本心と思う...
宮本百合子 「異性の間の友情」
...そして一つの困難をぬける毎に益生活的に強固になりまさりつつ文学的豊饒さを増してゆくこと...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...家々櫛比且豊饒...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...村社において行わるる家内安全五穀豊饒(ほうじょう)を祈る神事で...
柳田国男 「年中行事覚書」
...植物の豊饒...
横光利一 「欧洲紀行」
...佛領印度支那などの東洋の關門と豊饒な沃地を...
吉川英治 「折々の記」
...ここは地味豊饒(ほうじょう)で銭粮(せんろう)の蓄えも官倉に満ちているので...
吉川英治 「三国志」
...豊饒な土壌に根を下ろして...
若杉鳥子 「ある遊郭での出来事」
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