...彼等は豊潤な果実に餓えていた...
梅崎春生 「狂い凧」
...聡明(そうめい)な空間組成と鋭敏豊潤な色彩配置とを為し遂げたその純芸術力は世界にもこれに匹敵するもの甚だ稀(まれ)である...
高村光太郎 「美の日本的源泉」
...この東北地方の豊潤な実勢力が鬱積(うっせき)されているのだが...
太宰治 「惜別」
...豊潤なる精進をこそすべき也...
太宰治 「碧眼托鉢」
...そして線描の落着いたしかも敏感な鋭さと没骨描法(もっこつびょうほう)の豊潤な情熱的な温かみとが巧みに織り成されて...
寺田寅彦 「津田青楓君の画と南画の芸術的価値」
...心平さんの豊潤な韻律は...
豊島与志雄 「「草野心平詩集」解説」
...一年中の最も陽性を受けた豊潤な時を領分として成熟する...
中里介山 「百姓弥之助の話」
...豊潤な美感のお祭り騒ぎで消してしまえると信ずるのか...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「神の剣」
...而し彼等は彼等の部処を完全に守れる豊潤な頬を持つた青年達...
三岸好太郎 「黄色い鋼鉄船」
...著者が若々しい第一作「敗北の文学」及び「過渡期の道標」で示したニュアンスにとみ曲折におどろかない豊潤な資質は...
宮本百合子 「巖の花」
...彼のやうに美しい豊潤な吃驚するやうな効果的な作品ではなかつたのだ...
室生犀星 「俳句は老人文学ではない」
...ありふれた金色と違って特別に美しい豊潤なもののように思われる...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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