...相寄って私の芸術を豊かなものにしてくれるような心持がいたしております...
上村松園 「画筆に生きる五十年」
...真紅(まっか)な重々しい垂絹(たれぎぬ)が豊かな襞(ひだ)を作って懸けられていた...
江戸川乱歩 「赤い部屋」
...諸民族の会流たるユダヤ民族の豊かな運命を疑い憎み否定せざるを得ないのであるが...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...豊かな理念が生れるものである...
豊島与志雄 「小説集「白塔の歌」後記」
...別に地方色豊かなるものとしては会津地方から取寄せて送るという様な親切をきわめたものである...
中里介山 「百姓弥之助の話」
...代助の光沢(つや)の好(い)い顔色や肉の豊かな肩のあたりを羽織の上から眺めている...
夏目漱石 「それから」
...人類の善行者たちも自分の豊かな力に傲(おご)りはしない...
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン Ludwig van Beethoven 片山敏彦訳 「ベートーヴェンの生涯」
...豊かな気持である...
北條民雄 「道化芝居」
...神像のような口と頤(おとがい)、――その色合が純然たる暗褐色から濃いきらきらした黒玉色へ変る、異様な、烈しい、円(つぶら)な、潤(うるお)いのある眼(まなこ)、――その間から並ならず秀でた額(ひたい)がおりおり全く明るい象牙色(ぞうげいろ)をして閃き現われる、豊かな、捲毛の、黒い頭髪、――彼の顔貌は、おそらくコムモドゥス皇帝8の大理石像の顔貌を除いては、それ以上に古典的に整ったものを予の一つも見たことのないものであった...
エドガア・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「しめしあわせ」
...読んで豊かな情熱を感じられるといふ風な傾向でもあるんだよ...
牧野信一 「R漁場と都の酒場で」
...それを恰も豊かな関羽のであるかのやうな手つきで撫で降してゐた...
牧野信一 「天狗洞食客記」
...悉く健やかなる至上芸術派として専念斯道に励みつゝあるブセハラスの矜持豊かなる騎手達です...
牧野信一 「附「歌へる日まで」」
...神聖なエウロタ川の、豊饒な岸にどこまでも沿うて、湿った牧場の敷物の上に馬を駆って、昔ラケデモンが厳めしい8545山に近く囲まれた、豊かな、広い畑を作った、美しい平野に行く著くまで帰れ...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...その藝術的素質に豊かな民が...
柳宗悦 「朝鮮の友に贈る書」
...魯粛は豊かな眼をそそいで...
吉川英治 「三国志」
...どことなく豊かなのだ...
吉川英治 「新書太閤記」
...内容の豊かな大きい力であった...
和辻哲郎 「偶像崇拝の心理」
...文芸復興期のマドンナは豊かな肉体と優美な顔とをもって描かれているが...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??