...豁然として我に返り...
石井研堂 「大利根の大物釣」
...濃艶(のうえん)な花弁を豁然(かつぜん)と開いている牡丹の花の趣は夏季の感じとこうおのずから区分されるのでありまして...
高浜虚子 「俳句とはどんなものか」
...豁然(かつぜん)として夢が寤(さ)めたようになった...
蒲松齢 田中貢太郎訳 「考城隍」
...ある豁川(たにがわ)にくると...
徳永直 「こんにゃく売り」
...幾十個の隧道を出入して鹽山附近の高原を行くに心境頓に豁然たるを覺ゆ甲斐の國は青田の吉國(よくに)桑の國唐黍(もろこしきび)の穗につゞく國古屋氏のもとにやどる矚目二首梅の木の落葉の庭ゆ垣越しに巨摩(こま)の群嶺に雲騷ぐ見ゆこゝにして柿の梢にたゝなはる群山こめて秋の雲立つ九月一日...
長塚節 「長塚節歌集 中」
...豁然(かつぜん)として眼が醒(さ)める...
夏目漱石 「虞美人草」
...此兄(あに)は自分が豁達である丈に...
夏目漱石 「それから」
...この兄は自分が豁達であるだけに...
夏目漱石 「それから」
...そつと着換へる場所は無かつたでせうか――と」「それだ」平次は豁然(くわつぜん)としました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...移気、開豁(はで)、軽躁(かるはずみ)、それを高潔と取違えて、意味も無い外部の美、それを内部のと混同して、愧(はず)かしいかな、文三はお勢に心を奪われていた...
二葉亭四迷 「浮雲」
...かつお勢は開豁(はで)な気質...
二葉亭四迷 「浮雲」
...身を修めるとかいふやうな工夫も全くこれを否認しただ聖人の道を行へばそれで善いといふ処はよほど豁達(かったつ)な大見識で...
正岡子規 「病牀六尺」
...豁然(かつぜん)と展(ひら)けた眼下の谷に思いがけない人家があって...
松本泰 「暴風雨に終わった一日」
...冬の庭も四季の終りに豁然として美事な眺めに就かなければならぬのである...
室生犀星 「冬の庭」
...いつか豁然として道が開けて...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...夜豁開(かっかい)せる野...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...第五幕開豁(かいかつ)なる土地旅人うん...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...行くこと数里にして豁然(かつぜん)とあたりは展(ひら)け...
吉川英治 「新書太閤記」
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