...彼は何故にこゝの谿間の人々を隨へゆかざりしか...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...赤松山の谿間に横たわっていた川北先生は...
海野十三 「四次元漂流」
...大勢の村民が得物を持つて澤山の野犬を岩のごつごつした谿間に追ひ込む...
江南文三 「相川おけさ」
...池のある谿間へおりる東側の急勾配にも谿底にも二三尺の矮生の樹が茨のやうに枝をくねらして生ひ茂つてゐて...
江南文三 「佐渡が島から」
...雪割草の淡紅から深紅乃至紫までの花が谿間に咲きます...
江南文三 「佐渡が島のこと」
...岩根けはしき谿間より...
薄田泣菫 「泣菫詩抄」
...秋は谿間の紅葉を瞰下(みおろ)す幽邃な地域に...
谷崎潤一郎 「金色の死」
...谿間(たにま)せせらぐ秋の水といおうか...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...石炭と石炭との山の谿間(たにま)を通って...
葉山嘉樹 「海に生くる人々」
...谿間に蔭を落すどころか...
ナサニエル・ホーソン Nathaniel Hawthorne 三宅幾三郎訳 「ワンダ・ブック――少年・少女のために――」
...見えない谿間(たにま)のなかに尽きていた...
堀辰雄 「風立ちぬ」
......
三好達治 「詩四章」
...あの山に隠れた森と谿間の...
三好達治 「測量船」
...どこかで鳥の聲がする 雪の山の黄昏時私は一つの尾根に彳つ 谿間の宿のランプの灯(ひ)私の部屋の小さな窗 窗に映つた帽子の影あはれあはれ それは思出のやうに見える 微かな谿の水の聲...
三好達治 「黄昏」
...その麓(ふもと)の谿間にこの巨刹(きょさつ)が休んでいる...
柳宗悦 「全羅紀行」
...狭い谿間は家のふえることをすら防いでいる...
柳宗悦 「日田の皿山」
...その谿間には巨樹の立つてゐるままで水に浸され...
吉江喬松 「霧の旅」
...雲が谿間(たにま)を出るように...
吉川英治 「三国志」
便利!手書き漢字入力検索