...消防自動車が高いビルの消火のときにつかう長い梯子(はしご)をまっすぐ上にのばし、その上から探照灯でもって、エフ氏の逃げこんだ谷あいを照らしていたが、その明るい光は、一本や二本でなく、方々から同じところに集められているので、谷あいは、真昼のような明るさである...
海野十三 「人造人間エフ氏」
...しかし森や牧草地や沼沢のすべての谷あいや池の隈にゆたかでとりどりな実りがあるのだが...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...ところ/″\の谷あいの花の雲などに誘われて...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...その谷あいの秋色は素晴(すば)らしい眺めであったけれども...
谷崎潤一郎 「吉野葛」
...去年の夏信州(しんしゅう)沓掛(くつかけ)駅に近い湯川(ゆかわ)の上流に沿うた谷あいの星野温泉(ほしのおんせん)に前後二回合わせて二週間ばかりを全く日常生活の煩(わずら)いから免れて閑静に暮らしたのが...
寺田寅彦 「あひると猿」
...ものわびしい静かな谷あいにこだまするだけ...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 大久保ゆう訳 「緋のエチュード」
...谷あい深くのた打っていたが...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...ただ奇麗な谷あいであった...
正岡子規 「くだもの」
...谷あいに反響して聞える...
三好十郎 「樹氷」
...あのテルモピュライの谷あいにおける王レオニダス及びその指揮下の戦士の敗戦の光栄にはかなわなかった...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...「西の谷あいは広い...
吉川英治 「三国志」
...ところへ、先鋒の中護軍費耀(ひよう)から、祁山の谷あいで、一名のうろついている蜀兵を生捕ってきた...
吉川英治 「三国志」
...上赤坂の三面の谷あいを除く一条の馬ノ背道の稜線(りょうせん)で...
吉川英治 「私本太平記」
...山のような土を谷あいに運び出していますゆえ...
吉川英治 「私本太平記」
...村々の谷あいに長い空壕(からぼり)を鑿(うが)ち...
吉川英治 「新書太閤記」
...「飯浦、堀切の谷あいを、西へ攀(よ)じ越え、総勢、峰づたいに、足海、権現坂方面まで“繰引(くりびき)”せよ」あわただしい退(ひ)き貝(がい)に急(せ)かれて、勝政の麾下は、それぞれの旗幟(きし)と組頭の行くを目あてに、堀切の崖を、道も選ばず攀(よ)じ登り出した...
吉川英治 「新書太閤記」
...谷あいの手負(てお)いも...
吉川英治 「新書太閤記」
...谷あいを駈け渡り...
吉川英治 「新書太閤記」
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