...人と人との間には相互に交讓する可憐なる苦勞の絶間もない...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...一歩も讓らぬ氣象のわれも...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...かく相讓る時に、その會(つど)へる人ども、その讓れる状(さま)を咲(わら)ひき...
稗田の阿礼、太の安万侶 「古事記」
...勝手の間の爐側をわれら一行に讓りぬ...
大町桂月 「冬の榛名山」
...國家權力が社會秩序の破壞者に讓歩をする程危險なことはない...
關口存男 「新獨逸語文法教程解説」
...他は歌謠各句索引に讓つたものが多い...
武田祐吉 「古事記」
...讓はあんなに玄関が遠くの方に見えていたのは...
田中貢太郎 「蟇の血」
...障子の陰に小間使のような十七八の島田(しまだ)に結(ゆ)うた婢(じょちゅう)が立っていて讓の帽子を執(と)りに来た...
田中貢太郎 「蟇の血」
...僕は急いでるのです」讓は揮(ふ)り放そうとしたが放れなかった...
田中貢太郎 「蟇の血」
...帰してください」讓は女の手を揮(ふ)り払おうとしたが離れなかった...
田中貢太郎 「蟇の血」
...伯は必らずしも剛情我慢、他を壓例して自ら喜ぶものに非ず、又善く交讓し、善く調和し得るの雅量を有せり...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...今囘當社は帝國發明協會から蓄電池製作の權利を讓り受け...
豐田喜一郎 「トヨタ電氣自動車試作」
...それは又他日に讓り...
内藤湖南 「日本上古の状態」
...子の不遜と父の讓歩といふ形で...
中島敦 「盈虚」
...よし吾妻鏡の編者に數歩を讓りて義盛の比企邸を攻めしは深く北條氏に結托せる結果にはあらずして...
原勝郎 「吾妻鏡の性質及其史料としての價値」
...他日の議論に讓て暫く筆を擱(かく)し...
福沢諭吉 「帝室論」
...匈牙利にて戰死せし弟クリストフの遺せるリンダに於ける所領地を讓渡せられたり...
ライネル・マリア・リルケ Rainer Maria Rilke 堀辰雄訳 「旗手クリストフ・リルケ抄」
...天下を辭讓せし者にして...
箭内亙訳註 「國譯史記列傳」
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