...それを譲るわけにはゆかなかった...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...電車のなかで婦人客に席を譲るとかするのをいふのでない...
薄田泣菫 「茶話」
...この家を譲ることにする」慶娘は泣きだした...
田中貢太郎 「金鳳釵記」
...残念ながら割愛して他日の機会に譲るが...
辻潤 「ふもれすく」
...具体的の話は後日に譲ると云って...
寺田寅彦 「アインシュタインの教育観」
...マリユスは一歩も譲ることをしない往年の祖父をいつも頭に置いていたので...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...あちこちと道を譲る煩(わずらわ)しさもまた少いのである...
永井荷風 「※[#「さんずい+(壥−土へん−厂)」、第3水準1-87-25]東綺譚」
...実力上の第一人者たるマターファに譲るつもりでいた...
中島敦 「光と風と夢」
...万事を明日(あす)に譲る覚悟をきめた彼は...
夏目漱石 「明暗」
...お登世へ譲る水熊の身代(しんだい)に眼をつけて...
長谷川伸 「瞼の母 二幕六場」
...店は一番番頭の鶴吉に姉娘をめあわせてそれに譲ることになっていた...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...ただに三舎を譲るのみならず...
福沢諭吉 「学問のすすめ」
...これは寧ろ君に譲るべきぢやないかな...
牧野信一 「円卓子での話」
...この事は当時『月刊民藝』に沖縄方言問題特輯号を出したので凡てそれに譲るが...
柳宗悦 「四十年の回想」
...まず養子の劉封にここは譲るべきだと思ってひかえていた...
吉川英治 「三国志」
...徳なきは徳あるに譲るを常とし...
吉川英治 「三国志」
...子まで生ませた女を品物のように易々(いい)として他の男へ譲るという高氏も憎いし...
吉川英治 「私本太平記」
...武蔵は、但馬守に、上座を譲るべく、席を退(さ)がりながら、「暗うはござりましたが、あの壁の陰にひそと澄んでいた剣気、またここのお顔ぶれといい、但馬様を措(お)いて、余人であろうとは思われませぬ」と、答えた...
吉川英治 「宮本武蔵」
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