...――この説明はわたしの報告よりもお松宛(あて)の遺書に譲ることにしましょう...
芥川龍之介 「温泉だより」
...羽子板を譲る規則があつたが...
芥川龍之介 「点心」
...自分の息子ロバアトに自分の位置を譲るようにしたいのであった...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...それについては拙著『科学方法論』〔前出〕に譲る...
戸坂潤 「科学論」
...広田外相に首相の椅子を譲るために出馬したのだとも云われている...
戸坂潤 「近衛内閣の常識性」
...松井はなるべく敵に譲る後球(あとだま)が悪くなるようにした...
豊島与志雄 「球突場の一隅」
...家を譲る時まで空しくせられずに...
中里介山 「大菩薩峠」
...余った方を私に譲る気で...
夏目漱石 「こころ」
...譲る者もなければ...
夏目漱石 「三四郎」
...人のために譲ると相手の人は図に乗ってますますつけこみ...
新渡戸稲造 「自警録」
...お登世へ譲る水熊の身代(しんだい)に眼をつけて...
長谷川伸 「瞼の母 二幕六場」
...罪多き男懲らせと肌清く黒髪長く創られし我 清水へ祇園をよぎる桜月夜今宵逢ふ人皆美くしき 咒ひ歌書き重ねたる反古取りて黒き胡蝶をおさへぬるかな 春はただ盃にこそ注ぐべけれ智恵あり額の木蓮の花 人の子に借ししは罪か我が腕白きは神になど譲るべき などいふ様な「乱れ髪」調がそれだとすれば之等は即ち音高く鳴る鈴である...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...これは他日に譲るとします...
牧野富太郎 「植物記」
...太政大臣は今日もまた以前のように内大臣へ譲ることが何かあったのではないかなどという臆測(おくそく)をした...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...譲ることもまた越えることも一向かまわない...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...この事は当時『月刊民藝』に沖縄方言問題特輯号を出したので凡てそれに譲るが...
柳宗悦 「四十年の回想」
...まず養子の劉封にここは譲るべきだと思ってひかえていた...
吉川英治 「三国志」
...席を譲るまいとして...
ルナアル Jules Renard 岸田国士訳 「ぶどう畑のぶどう作り」
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