...その紹介は後(のち)の機会に譲ることにしたい...
芥川龍之介 「日本の女」
...この一歩をも譲ることを得ざる国防上の要求が我が経済建設の指標であり昭和維新の原動力である...
石原莞爾 「戦争史大観」
...今夜随一の果報者たる花婿権四郎めに譲るので厶る...
海野十三 「くろがね天狗」
...まだ云い残している多くの事柄は次便に譲ることにしよう...
江戸川乱歩 「悪霊」
...自分はその職をエガアトンの息子に譲るであろうと...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...他日の機会に譲ることとする...
寺田寅彦 「火山の名について」
...それを譲るのはつまり妻に譲歩することになるからでした...
トルストイ 米川正夫訳 「クロイツェル・ソナタ」
...尋常では幸内が拙者に譲る気づかいもなし...
中里介山 「大菩薩峠」
...厭(いや)なら僕に譲るがいい」と敬太郎は冗談(じょうだん)半分に須永を強請(せび)ることもあった...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...自分の権利のうちのいくぶんかをだれかに譲ることになるのではないかという不安から...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...彼が再び幸福にしてやることが不可能となったあの女性を僕に譲るように頼むんだ」ラスチニャックの心の葛藤は長く続いた...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...ひとに譲る意志はありません...
久生十蘭 「あなたも私も」
...その説はこれを他日に譲る...
福沢諭吉 「小学教育の事」
...財産は弟に譲るも遺憾なし...
福田英子 「妾の半生涯」
...気に入らない場合は友人に譲るつもりだったが...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「王冠の重み」
...説明する必要から、百歩を譲る...
三好十郎 「俳優への手紙」
...姫君を母として愛する心を今になって分けてもらいたいために譲るところがあるのでしょう...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...己はこんな風に考へて疑問の解決を他日に譲ることにした...
アンリ・ド・レニエエ Henri de Regnier 森林太郎訳 「復讐」
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