...鶏卵内の黄身もまた親から子に譲る一種の私有財産の変形とみなすことができる...
丘浅次郎 「動物の私有財産」
...すべてを政吉に譲るべきであると思い...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...この家を譲ることにする」慶娘は泣きだした...
田中貢太郎 「金鳳釵記」
...他日の機会に譲ることとする...
寺田寅彦 「火山の名について」
...「にて」はこの場合総合の過程を読者に譲ることによって俳諧の要訣(ようけつ)を悉(つく)しているであろう...
寺田寅彦 「俳諧の本質的概論」
...この方は後日に譲ることとする...
中谷宇吉郎 「『雪華図説』の研究後日譚」
...この生物線の話は後に譲るとして...
中谷宇吉郎 「千里眼その他」
...既に与えられた紙幅を越えたのでこれらはまたの機会に譲るとして擱筆する...
中山太郎 「本朝変態葬礼史」
...吾らのために道を譲る景色(けしき)はない...
夏目漱石 「草枕」
...人間なら譲る事もあろうが猫とは怪(け)しからん...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...譲るも売るもならないように...
久生十蘭 「我が家の楽園」
...気に入らない場合は友人に譲るつもりだったが...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「王冠の重み」
...正月にユズリハを飾るのは譲るの意である...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...双方とも相手に譲るものでないというふうに気どっているのがおもしろく見えた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...太政大臣は今日もまた以前のように内大臣へ譲ることが何かあったのではないかなどという臆測(おくそく)をした...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...すなわち、その兵士は、「幾ら与えたら、お前は競馬に用いて賞をえたその馬を、わたしに譲るか...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...お咎めもありますまい」「そしてどういうのか」「天子のおことばとして――朕(ちん)病弱のため帝位を董太師に譲るべしと...
吉川英治 「三国志」
...隠居して国政を義統に譲る...
和辻哲郎 「鎖国」
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