...治国平天下の打算的手腕に於ては源兵衛佐に譲る...
芥川龍之介 「木曾義仲論(東京府立第三中学校学友会誌)」
...私は少し許りの畳建具を他(ひと)に譲る事にして旅費を調へた...
石川啄木 「札幌」
...今夜随一の果報者たる花婿権四郎めに譲るので厶る...
海野十三 「くろがね天狗」
...すべてを政吉に譲るべきであると思い...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...それについては拙著『科学方法論』〔前出〕に譲る...
戸坂潤 「科学論」
...家督を譲る筈でござりますが...
直木三十五 「南国太平記」
...当家は、世子が、二十歳になれば、家を譲るのは、代々の慣わしになっているが、慣わしは、時世と共に、変って行くものじゃ...
直木三十五 「南国太平記」
...一歩を譲ることの引身(ひけみ)をも感じていないのだが...
中里介山 「大菩薩峠」
...その会話は次ぎの章に譲ることにしよう...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...それは後日に譲ることとし...
松濤明 「ピークハンティングに帰れ」
...あんまり通俗小説だわ」若くて青年ぽい良心の自覚やそれを譲るまいとする荒々しさから宏子は...
「海流」
...町の娘らは道を譲るように彼を避けるほどになっていて...
室生犀星 「性に眼覚める頃」
...新しい青年は次第にこれをいやがりいつとなく年少の者に役目を譲るようになって...
柳田國男 「歳棚に祭る神」
...同年十月家督譲る...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
...この善鬼よりずっと後に弟子入りした典膳にそれを譲るから...
吉川英治 「剣の四君子」
...家督は舎弟国行(くにゆき)に譲ると決めた...
吉川英治 「親鸞」
...若いものに、あとを譲る...
吉川英治 「梅里先生行状記」
...兄(にい)さんだろうな」兄貴のフェリックス――その光栄はにんじんに譲るよ...
ルナアル Jules Renard 岸田国士訳 「にんじん」
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