...真の万吉郎の方は『科学は常に偶然に一歩を譲る』といって嘲笑したいところなのだろう...
海野十三 「ヒルミ夫人の冷蔵鞄」
...電車のなかで婦人客に席を譲るとかするのをいふのでない...
薄田泣菫 「茶話」
...それらの合戦の状況は「筑摩軍記」に譲ることにして...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...当主の文太郎に家督を譲るまでの何十年間をこゝに坐り通し...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...他人に譲ることの出来ない資産ということでは...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...そしてこれはとりも直さずリッケルトの科学論によって与えられた(リッケルトの科学論に就いての細かい考察は後に譲る)...
戸坂潤 「科学方法論」
...それについては拙著『科学方法論』〔前出〕に譲る...
戸坂潤 「科学論」
...マリユスは一歩も譲ることをしない往年の祖父をいつも頭に置いていたので...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...勝負を譲るは武術の道に欠けたること」「それとても親兄弟の生命(いのち)にかかわる時は……」「その時には女の操を破ってよいか」六宇津木の妹を送り出したのは夕陽(ゆうひ)が御岳山の裏に落ちた時分です...
中里介山 「大菩薩峠」
...『参同契と科学』に就いては、次の機会に譲る...
中谷宇吉郎 「古代東洋への郷愁」
...この方は後日に譲ることとする...
中谷宇吉郎 「『雪華図説』の研究後日譚」
...寸毫(すんごう)も譲る気色(けしき)はなかったのです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...譲るのが自己の利益だと云ふ利己的立場からするのと...
平出修 「計画」
...道を譲るくらいでは済まない人数なのであったから...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...まず養子の劉封にここは譲るべきだと思ってひかえていた...
吉川英治 「三国志」
...武田譜代の士馬精鋭(しばせいえい)、なお数万騎ありましょうと、すでに信玄という支柱を欠き、内に和なく、各、誇って譲るなく、しかもその人、その地の利には、文化に遠く、武器も戦法も、はや時代遅れといってよいでしょう」「中国におりながら、そちは却って、甲州方面の機微(きび)に詳しいようではないか」「おのれを知り、敵を測(はか)るためには、どこの国とも睨みあわせておらねばならぬ必要からです...
吉川英治 「新書太閤記」
...家督は舎弟国行(くにゆき)に譲ると決めた...
吉川英治 「親鸞」
...凍った海面が威圧的で山がちな海岸線に席を譲ることになる...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
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