...お顔は黒く骨張って謹直な感じで...
太宰治 「惜別」
...二三歩離れて謹直な恰好(かっこう)をして突っ立っている夫の仙太郎を麾(さしまね)いた...
谷崎潤一郎 「細雪」
...私は前にも云うように女にかけて経験のない謹直な「君子」であったばかりでなく...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...謹直な従僕と称せられるクライは彼の友人で同類であり...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...うちしおれてる謹直な教師の友人を眺め...
豊島与志雄 「失策記」
...謹直な彼は、私を冷血漢だとひどく憤った...
豊島与志雄 「失策記」
...」そして謹直な手ぬぐいは...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...」――「息子(むすこ)の自由を護るに用いると同じ微妙謹直な精神をもって...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...父が謹直な技術家で...
南部修太郎 「自分のこと」
...清廉謹直な駿河守ですが...
野村胡堂 「黄金を浴びる女」
...謹直な五十女でした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...謹直なようすをした取調べ官が...
久生十蘭 「虹の橋」
...そのヘンリイという男だ」四銃士は謹直な面持で真名古の面を瞶めながら...
久生十蘭 「魔都」
...こうした仲間の中(うち)では謹直な人でしたが...
平林初之輔 「華やかな罪過」
...されど村人は皆彼が謹直なるを思い...
宮崎湖処子 「空屋」
...まじめで謹直なところが上からも下からも買われて...
山本周五郎 「日本婦道記」
...どこか謹直な風も見られ...
吉川英治 「大岡越前」
...鷹(たか)の羽(は)一渋沢栄一からの手紙には、啓呈と、謹直な書体で、(――しばらく藩邸の各位や、道場の諸兄に、お世話に相成っていたが、一身上の都合で、目下は郷里高崎在に帰省いたしている...
吉川英治 「松のや露八」
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