...しかしその調べと云ふ意味を十七音か否かに限るのは所謂(いはゆる)新傾向の作家たちの謬見である...
芥川龍之介 「発句私見」
...自分の内に眠つてゐた思ひもよらぬ謬見を...
伊藤野枝 「書簡 大杉栄宛」
...この椿岳の女道楽を単なる漁色とするは時代を無視した謬見(びゅうけん)である...
内田魯庵 「淡島椿岳」
...かかる謬見(びゅうけん)より出発するがために...
内村鑑三 「ヨブ記講演」
...物識り顔からそういう謬見(びゅうけん)をこそぎおとすにはよっぽど鏝でごしごしやらなければならない...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...そは一個の謬見に過ぎず...
高木敏雄 「比較神話学」
...この謬見のやむ時はあるまい...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「決闘」
...閣下は不幸にして議院政略を何よりも大切とするの謬見に陷りたり...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...人或は進歩黨の一擧一動を以て悉く大隈伯の指揮に出づるが如くに想像するものあり是れ何の謬見ぞや凡そ一政黨の進退を指揮するの首領は...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...彼は更に弁妄書を公にして其謬見を指摘すること太だ痛切而して彼れを知らざるものは...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...吾人はみずから謬見あるべきを知っている...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...文明の今日(こんにち)なおこの弊竇(へいとう)に陥(おちい)って恬(てん)として顧(かえり)みないのははなはだしき謬見(びゅうけん)である...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...皮相な謬見(びゅうけん)にすぎないことは明らかである...
萩原朔太郎 「詩の原理」
...我輩も心の内には外国人の謬見(びゅうけん)妄漫(ぼうまん)を知らざるにあらず...
福沢諭吉 「日本男子論」
...三十一文字と定め十七文字と定めし事もと是れ人間が勝手につくりし掟なればそれに外れたりとて常に用うべきにあらずとは笑ふべき謬見(びうけん)なり...
正岡子規 「字餘りの和歌俳句」
...特に蛙に重きを置くは固より取るに足らざる謬見(びゅうけん)のみ...
正岡子規 「古池の句の弁」
...其謬見中にては自然を模傚せむとするこそ抽象したる類型を模傚せむとするに優りたれ...
森鴎外 「柵草紙の山房論文」
...理解なき謬見(びゅうけん)に過ぎぬのを感じている...
柳宗悦 「民藝四十年」
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