...自分は知人某氏を兩國に訪うて第二の避難を謀つた...
伊藤左千夫 「水害雜録」
...これは團三郎が豫め加州の登城の時刻を知つて斯くあれかしと謀つてした事でして...
江南文三 「佐渡が島から」
...いまさら御一族と謀つて何かたくらむなどそんなおひまも野心もお持ち合せにならぬやうな御様子でございました...
太宰治 「右大臣実朝」
...やはり女のことで自殺を謀つた青年が...
太宰治 「道化の華」
...ソレデ河野が若し聯合党の為に謀つたならば...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...「阿母さんが、阿父さんの意久地なしには驚いたなんて云つてゐましたぜえ、さつき!」「勝手なことを云はせておけ!」彼は、さつきの母の物語りを伝へて父と一処に笑ひ、お蝶達の苦笑も眺めてやらう、と謀つたのだが、前にはさういふ話になると面白がつた父にも係はらず、ふつと暗く厭な顔をして横を向いてしまつたので、悪戯の心を突然白けさせられた...
牧野信一 「「悪」の同意語」
...かへつて埒外のお前にでも謀つたら...
牧野信一 「海路」
...友達などにも謀つてゐるのであるが...
牧野信一 「途上日記」
...果しもなかつたので祖父と武さんが謀つて...
牧野信一 「肉桂樹」
...秘かに画家に謀つて...
牧野信一 「山彦の街」
...初め基督生れて正法大に興らんとした際邪鬼輩失業難を憂ひ相謀つて一の法敵を誕生せしめ大に邪道を張るに決し...
南方熊楠 「人柱の話」
...少(わか)い友人のために便宜を謀つたことであらう...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...」蘭軒と同じく此復古を謀つたものには狩谷斎がある...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...先生は言(こと)を左右に託して水路扈随を免れむことを謀つた...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...松田道夫(だうふ)がわたくしに水野閣老(忠精)と先生との間を調停せしめようと謀つたためであつた...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...継嗣の事を江戸邸の人々に謀つたのではなからうか...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...當時相對死(あひたいし)と云つた情死を謀つて...
森林太郎 「高瀬舟」
...横井を刺すことを謀つたのださうである...
森鴎外 「津下四郎左衛門」
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