...偉大の意識の中にも眞に侮蔑に堪へたる空虚と自己諂諛とを見る...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...阿諛(あゆ)を逞(たく)ましうして...
巌谷小波 「こがね丸」
...存魂(ぞつこん)嬢様に思込んでゐたが少(ちつ)とも媚諛(こびへつら)ふ容子を見せなかつた...
内田魯庵 「犬物語」
...虚文虚礼便佞(べんねい)諂諛(てんゆ)を賤(いや)しとして仕官するを欲しなかった二葉亭もこの意外なる自由の空気に満足して...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...この庇護に酬いるに多少の阿諛をもってしたことは...
辰野隆 「芸術統制是非」
...何という阿諛追従...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...教員(主に校長)側自身から阿諛的に事大的に当局に申し出たものだが...
戸坂潤 「現代日本の思想対立」
...阿諛(あゆ)的な俗人らはなんの苦もなくしゃべりたてる...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...嫉視、反感、阿諛、利慾、その他さまざまなものが入交った告げ口、真偽とりまぜたものに尾鰭をつけ色合を変えた密告で、人の世の最も浅間しい姿だった...
豊島与志雄 「山吹の花」
...阿諛(あゆ)と諂佞(てんねい)に取巻かれ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...強(しい)て笑ッたり諛言(ゆげん)を呈したり...
二葉亭四迷 「浮雲」
...何気ない調子を装うて更にもう一歩先きの諛ひを示しました...
牧野信一 「愚かな朝の話」
...「えゝ……」と諛ふやうに笑つて「私は一つの望みがないのでもありませんが……少々それが申し憎いので...
牧野信一 「闘戦勝仏」
...円滑な阿諛などの様子はなく...
牧野信一 「円卓子での話」
...阿諛がうんざりであったこと...
宮本百合子 「寒の梅」
...阿諛便佞(あゆべんねい)の所為(しょい)なるべしと申候(そろ)...
森鴎外 「興津弥五右衛門の遺書」
...寄生虫(諛(へつら)ふ如く...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...時世に諛(おもね)らず...
夢野久作 「近世快人伝」
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