...彼女は思い切った論断を下した...
...議論の結果、彼の論断が正しかったことが証明された...
...彼の論断には一定の説得力がある...
...彼は独自の見解を持っていて、常に緻密な論断を展開する...
...彼女の論断は非常に分かりやすかった...
...――これは勿論断(ことわ)らずとも...
芥川龍之介 「解嘲」
...軽々(けいけい)他人の言に依(よっ)て事を論断(ろんだん)したるが故(ゆえ)にその論の全く事実に反(はん)するも無理(むり)ならず...
石河幹明 「瘠我慢の説」
...正造は最初から火を吐くばかりの熱弁で縦横に問題を論断した...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...野口春蔵の調査で千葉県東葛飾郡、埼玉県北葛飾郡、東京府南葛飾郡にまで鉱毒の及んでいることが判明したのである、このため今日では毒水の害を被るものが十三万五千人に達したと説明し、さらに利根の水利を説いて、渡良瀬の毒水が、利根運河によって斯の如く意外な方面へ運ばれるのであると、論断した...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...即ちこれを証するものである」と論断した...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...次のやうに論断してゐるやうである...
太宰治 「津軽」
...この二つの場合のどちらが蓄音機のレコードに適するかを一般的概念的に論断するのは困難ではあるまいか...
寺田寅彦 「蓄音機」
...従って国民祖先の大部分もまた南洋から渡来したものだと論断しようとするものである...
寺田寅彦 「連句雑俎」
...即ち一般に自然科学が「現段階的には階級性を有たないと論断」することは出来ない...
戸坂潤 「再び「科学の歴史的社会的制約」に就いて」
...一に事実と理義に拠りて公明正大の論断を下だすに過ぎざるなり...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...また第二に、右の論断は、福音書の教えから生ずる必然的な推論だからでもある...
トルストイ 米川正夫訳 「クロイツェル・ソナタ」
...日本の風景が果して世界第一か否かは無論断定せらるべき事でもなく...
永井荷風 「海洋の旅」
...「欧羅巴(ヨーロッパ)の文明というものは間違っているです、蒸気が走り、電気が飛び、石炭が出る、機械がどよめく、それで、人が文明開化だといって騒いでいるだけのものです、蘊蓄(うんちく)ということを知らないで、曝露(ばくろ)するのが文明だと心得違いをしているです、陰徳というものを知らないで、宣伝をするのが即ち文明だと心得違いをしているです、ごらんなさい、今に亡びますよ、今に欧羅巴人同士、血で血を洗う大戦争をはじめて共倒れになりますから、わたくしは、そういうところに住むのが嫌いですから、もっと広い世界へ出ました」「君は文明開化を否定している、人類の進歩というものを呪(のろ)っているらしい、それが欧羅巴の文明というものを究(きわ)め尽しての結論だと面白いが、ただ偏窟な哲学者の独断では困る」「わたくしは偏窟人です、世間並みの風俗思想には堪えられません、それだからといって、わたくしの見た欧羅巴文明観が間違っているとは言えますまい、そもそも、欧羅巴が今日のように堕落したのは……彼等は堕落と言わず、立派な進歩だと思い上って世界に臨んでいるようですが、わたくしに言わせると、彼等より甚(はなはだ)しい堕落はありません、何がかくまで欧羅巴を堕落させたかと言えば、それは鉄と石炭です」「ははあ、妙な論断ですね、羅馬(ローマ)の亡びたのは人心が堕落したからだということは、よく聞きますが、鉄と石炭が欧羅巴を堕落させたという説はまだ聞きません」「学説ではなくて事実です、まず欧羅巴というところが、世界の中でどうして特別に早く開けたかといえば、それは食物を耕作する良地に富んでいたからです、土地が肥えていて、人間が食物を収穫するのに、最も都合がよかった、というのが第一条件であります、これは勿論(もちろん)であります...
中里介山 「大菩薩峠」
...あんな記事をことさらに掲(かか)げたんだろうと論断した...
夏目漱石 「坊っちゃん」
...そこまでは論断する事ができなかった...
夏目漱石 「明暗」
...宇野氏は鋭く論断してゐる...
正岡容 「大正東京錦絵」
...この個別化から社会の貧困へと論断して行く独断論なのであり...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...論断する必要は少しもないのである...
柳田国男 「雪国の春」
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