...忽ち極めて頓狂な調子外れな聲が繁の口から出た...
石川啄木 「葬列」
...肩を組んで調子外れの都々逸(どどいつ)を怒鳴(どな)りながら通り過ぎた...
江戸川乱歩 「一寸法師」
...初めから調子外れの大聲で無茶苦茶に歌つて出來た聲です...
江南文三 「相川おけさ」
...すつかり調子外れでないだけ気味悪かつた...
種田山頭火 「行乞記」
...全く調子外れのものだった...
豊島与志雄 「或る男の手記」
...そういう調子外れの真面目さだ...
豊島与志雄 「女客一週間」
...わたしゃ大島御神火そだちよ初めの一句は調子外れで...
豊島与志雄 「春」
...それが自分でも変に調子外れの気がして...
豊島与志雄 「反抗」
...「失礼な!」その最後の一句が何とも云えない調子外れの響きを与えた...
豊島与志雄 「二つの途」
...誰だつて獨り者だよ」「その男やもめも五十二年續くと劫(こふ)を經て祟(たゝ)りをなす」「言ふことが調子外れだな...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...調子外れな声になって否定を繰返していた...
長谷川伸 「幽霊を見る人を見る」
...哀切といいたいが、調子外れで、これがいかにも間抜けた節にきこえるので...
久生十蘭 「魔都」
...牛や羊や豚の啼き声――それらのすべてが混淆して一つの調子外れな音響となるのだ...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...柏は調子外れなヴィオリンを弾きながら...
松本泰 「日蔭の街」
...(二月五日)サン・ゼルマン二月(ぐわつ)に成つたら一層寒くなる筈(はず)の巴里(パリイ)が今年は何(ど)うした調子外れか好い天気が続いて僕の部屋などは煖炉(シユミネ)を焚(た)かなくつてもいい様に成つた...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...奇児の哄笑みたいな調子外れの高笑いに...
吉川英治 「私本太平記」
...『妹かっ』三平の声も調子外れに響いた...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...剣の切っ先のように空気を劈(さ)く調子外れの鳴き声をたてている...
ルナール Jules Renard 岸田国士訳 「博物誌」
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