...ものも言わずに駈(か)け歩行(ある)いた声をまず調えようと...
泉鏡花 「悪獣篇」
...水を調えて降りて来よう...
泉鏡花 「開扉一妖帖」
...家具もあらかた調えましたが...
魯迅 井上紅梅訳 「故郷」
...米もまた優良品を選んですべて充分の選択の上に調えられる最上の美味である...
相馬愛蔵、相馬黒光 「一商人として」
...鶴さんが気忙(きぜわ)しそうに旅行の支度を調えてからの昨夜(ゆうべ)であった...
徳田秋声 「あらくれ」
...羽織の下に襷をかけて、鎖鉢巻を袖の中へ隠して「油断するなよ」二人が耳を澄まし、呼吸を調えて、静かな足取で、小半町行くと、人影が木立の間に見えた...
直木三十五 「南国太平記」
...あなた様のお望みだけのお金を調えて――そうですね...
中里介山 「大菩薩峠」
...井上半十郎は大急ぎで旅仕度を調えました...
野村胡堂 「江戸の火術」
...一日婦女どもが食物を摺(す)り調える処へ上帝来り立ち留まって観(み)るを五月蠅(うるさ)がり...
南方熊楠 「十二支考」
...これは必ず天変地異の前徴に相違ないと急いで仕度を調えて帰宅した人もあったそうである(時事新聞)...
武者金吉 「地震なまず」
...まず必要不可欠の物事を調えてから後に...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...晴着は町で買い調え...
柳田国男 「木綿以前の事」
...幾つかの呼吸を腹の下に調える間に...
吉川英治 「上杉謙信」
...すでにあらかた調えられていた馳走の数々から木具魚台(きぐさかなだい)までが...
吉川英治 「新書太閤記」
...ここで旅装を調えた上...
吉川英治 「平の将門」
...旅の支度さえ調えば...
吉川英治 「平の将門」
...小さな卒塔婆百本を調えさせて...
吉川英治 「源頼朝」
...髪を調えたりすることを許さず...
レスコーフ Nikolai Semyonovich Leskov 神西清訳 「かもじの美術家」
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