...警察官が門におって人の出入を誰何(すいか)している...
伊藤左千夫 「去年」
...ポストまで出かける、W店で一杯、N店で一杯、またF店で一杯、方角が解らなくなる、道徳を失ふ、二度誰何された、何しろ防空警戒中だ、満身の瘡痍――たゞしかすり傷だけ、――辛うじて帰庵、前後不覚で寝てしまつた...
種田山頭火 「其中日記」
...びっくりするような誰何(すいか)の声がした...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「決闘」
...どなたでござるな」と誰何(すいか)しましたけれども...
中里介山 「大菩薩峠」
...そこで誰何(すいか)してみたその人は...
中里介山 「大菩薩峠」
...「お前は誰だ」と二度(ふたたび)誰何(すいか)した途端に...
中里介山 「大菩薩峠」
...廊下で行き合った兄は「どこへ行く」と番兵のような口調で誰何(すいか)した...
夏目漱石 「こころ」
...職業柄斯う誰何(すいか)すると...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...しかるにその物音に蓉子は目をさまして誰何(すいか)したので...
浜尾四郎 「黄昏の告白」
......
樋口一葉 「別れ霜」
...この密網の目を洩れてただの一度も誰何(すいか)されなかったのだ...
牧逸馬 「女肉を料理する男」
...――どなたですか? と誰何する声がしたが...
牧野信一 「冬の風鈴」
...昇平今不復誰何...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...誰何したことのあるおまわりさんなら...
山之口貘 「夏向きの一夜」
...その後は誰何される度に名刺を示したので相手の好奇心をかき分けて歩くに便利なのであった...
山之口貘 「楽になったという話」
...飛行場は一切陸軍省に属して居るから出入(しゆつにふ)の人を騎馬の憲兵が誰何(すゐか)する...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...誰何(すいか)するにちがいない...
吉川英治 「三国志」
...大薙刀(おおなぎなた)をかいこんだ武装の僧にいくたびも誰何(すいか)されたが...
吉川英治 「私本太平記」
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