...誰かが後を追いかけてくるでもなし...
海野十三 「人造人間の秘密」
...誰に物を云うのもいやだった...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...誰も私のように吹出物していないのが不思議でなりませんでした...
太宰治 「皮膚と心」
...おれを誰だと思う...
中里介山 「大菩薩峠」
...誰の道具でせう」平次は改めてその剃刀を女主人に見せました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...誰がやられたんだ」「お房ですよ」「そいつは気が付かなかった...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...しかしよくよく見ればこの乞食女は誰の心中にも居るのである...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...彼は家族の誰からも黙殺され見捨てられた自分を感じた...
北條民雄 「青年」
...これも天命だ」「誰が教えたのよ...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「くちなしの花」
...誰かそう言ったのですか...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部」
...ウォルタ卿は息子の名前を誰にも言わなかったので...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部」
...あの眼を用ひてゐる限りは誰もそれを義眼と疑ふ筈もないのだ...
牧野信一 「木枯の吹くころ」
...うちの者は誰もその使用をはにかみ...
牧野信一 「サクラの花びら」
...誰もこれと結婚するほどには...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...絶対に誰(だれ)をつれてきても代用できない一人の人間なのだ...
山川方夫 「お守り」
...「だが、六助のやつ」暫くして、彼はふと声をあげた、「いやそうじゃあない」彼は自分に首を振った、「――仲次郎のことなんか構わない、たとえ腕を折った裏話をしたって、折った本人は六の野郎で、おれが頼んだなんていう証拠はない、もし仲次郎が仕返しをするとしたら、当の相手は六助にきまっている、そのことはいいんだ」そして彼は眼をつむり、口の中で不審に呟いた、「それよりも気になるのは、佐吉が誰かに飼われているということだ、――佐吉は正月に桝屋をよした、おれはそうかと思っただけで気にもとめなかったが、誰かに飼われているというのはへんな話だ、誰に、どんな理由で飼われているのかは、口を割らなかったというが、……芝居茶屋の人間で、女客と役者や芸人を取り持っていた、そんな見当になにか曰(いわ)くがありそうだと云ったな」蝶太夫はじっと眼を据えて、暗い天床(てんじょう)の一点を見まもった...
山本周五郎 「五瓣の椿」
...好(い)い加減な事を日本人の誰かが説明して聞かせたのであらう...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...後に、天下の統業をほぼ成し遂げて、安土(あづち)に君臨する日となった時、信長もまた豪奢(ごうしゃ)をやったが、英雄の心事をふかくさぐって観(み)るに、誰か、ただ自分ひとりの栄華(えいが)のためだけに――そんな小さい慾望だけのために――これほど大きな犠牲に恬然(てんぜん)としていられようか...
吉川英治 「新書太閤記」
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蝕まれた 厭倦 惚れて通えば千里も一里
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