...よしんば語り物は知らなかろうが...
芥川龍之介 「片恋」
...おかげで折角の真打ちの語り物がとうとう滅茶々々にされてしまった...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...この祭文語りが、もう少し近代風に、曾我をやるとか、義士伝を講ずるとかいうならば、道庵の昂奮もその謂(いわ)れがないではないが、何をいうにも、この祭文語りは山伏に近い古風なもので、ことに語り物が、哀婉(あいえん)たる苅萱道心(かるかやどうしん)の一節と来ているのだから、多少の菩提心(ぼだいしん)をこそ起せ、そう無暗に昂奮して、武者修行熱を起した道庵の心持は解(げ)せないものだが、道庵に言わせると、また立派にその謂れがあるのかも知れない...
中里介山 「大菩薩峠」
...今晩の語り物が塗板に白くかいてある...
夏目漱石 「虞美人草」
...連れて行ってやらん事もないが今日の語り物は何だと聞いたら...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...語り物の乗りにあわせて...
長谷川時雨 「竹本綾之助」
...地方限りの語り物がある...
柳田国男 「雪国の春」
...三の歌や語り物のみでなかったが...
柳田国男 「雪国の春」
...そういう語り物はしょうばい人に任せとくがいい...
山本周五郎 「青べか物語」
...次の狂言に出す語り物の三味線を合わせる...
山本周五郎 「五瓣の椿」
...自分で新らしい語り物をあみだすと云っていた...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...「芝居狂言の語り物に出たところ...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...語り物も渋いもの...
山本笑月 「明治世相百話」
...以上の語り物は綾瀬なき後再び聴くを得ないのは惜しいものだ...
山本笑月 「明治世相百話」
...語り物はお得意の「陣屋」かと思うと...
山本笑月 「明治世相百話」
...平家などの語り物を御会得(ごえとく)なさりたいおつもりですか」と...
吉川英治 「私本太平記」
...物語り物でも素読(そどく)しているらしい抑揚(よくよう)である...
吉川英治 「新書太閤記」
...「劇」だの「語り物」だの「古典」の文章だと...
吉川英治 「随筆 新平家」
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