...そこの恐ろしい沈黙の中から起こる強い快い赤児(あかご)の産声(うぶごえ)――やみがたい母性の意識――「われすでに世に勝てり」とでもいってみたい不思議な誇り――同時に重く胸を押えつける生の暗い急変...
有島武郎 「或る女」
...之も誇大狂の増進した結果である...
丘浅次郎 「人類の誇大狂」
...誇らかに言いたいところだったが...
高見順 「いやな感じ」
...何を誇っているのか...
太宰治 「如是我聞」
...「私の乳母(うば)が丹精(たんせい)して大事に大事に育てたのです」と婦人が誇(ほこ)り貌(が)に口を添えた...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...非常に誇張しているんだ――この誇張ということが...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...彼れも亦之れを以て竊かに自ら誇るものゝ如し故に皆然りといふ然れども大阪の會議と民選議院の建白とは...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...そこではカルヴァン派の精神的欠陥が誇大に現われていた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...もしかして、吉野朝と言ったのが、浄見原(きよみはら)の天皇の御時代とすれば、これは、たしかに千年以上になりましょうが、ここに吉野朝と言ったのは、足利氏以前の南北朝時代の吉野朝時代のことに違いないと思われるから、そうしてみると、どう考えても五六百年以前には溯(さかのぼ)らない、しかし、古い物を称して千年と言うのは、一種の口合いなのですから、それはさのみ咎(とが)めるには及ばないとして、千年を経て、その朱の色が昨日硯(すずり)を出でたるが如しという色彩感は、さのみ誇張でも、誤算でもないということを、お銀様も認めました...
中里介山 「大菩薩峠」
...――アポロの誇りである霊感が見えないなんて...
エドガア・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「しめしあわせ」
...最も人間の謙遜と誇持(ママ)とにみちた言葉ですね...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...むしろこのことを喜び誇るべきであろう...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...酔のために誇張された怒りで...
山本周五郎 「薊」
...そうした彼女の気持の清浄無垢さを誇りたい彼女の心の奥の何ものかが...
夢野久作 「少女地獄」
...仏蘭西(フランス)には誇るべき芸術...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...そして新手を誇って言った...
吉川英治 「私本太平記」
...生なかな武力に誇ると...
吉川英治 「宮本武蔵」
...その功績を誇示し...
和辻哲郎 「鎖国」
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