...それに全く誂えむきに...
犬田卯 「沼畔小話集」
...その夜は私の目論(もくろみ)には万に一つという誂え向きの夜だった...
スティーブンソン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「宝島」
...けれど夜会服を誂える段になっても彼女は誰とも相談しないで...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「頸の上のアンナ」
...私は手を鳴して朝飯(めし)を誂えた...
近松秋江 「別れたる妻に送る手紙」
...箱だけは慥かにお誂え申した覚えが御座いますが!」こう宝玉屋は無雑作に答えた...
――モウパンサン―― 辻潤訳 「頸飾り」
...かかりつけの洋服屋へ寄って服を誂えた...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...全くお誂え向きの程度にまで酔いがさめてくる...
豊島与志雄 「或る夜の武田麟太郎」
...「お誂えは……...
豊島与志雄 「怒りの虫」
...」彼は酒を誂えた...
豊島与志雄 「女心の強ければ」
...ちょうどわたしの身心の状態もお誂え向きでしたし...
トルストイ 米川正夫訳 「クロイツェル・ソナタ」
...先ほど誂えた初茸(はつたけ)の吸物もまたは銚子(ちょうし)の代りさえ更に持って来ない始末である...
永井荷風 「散柳窓夕栄」
...矢を誂えたのは意外にも跡部満十郎...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...誂え向きの大年増が見つかりましたよ」八五郎が何處かの物蔭からヒヨイと出て來ました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...傍(はた)のものは道具はこびにお誂えむきだといったが...
長谷川時雨 「勝川花菊の一生」
...お誂えどおり手拭いの吉原かぶりに白唐桟の細かい縞の着物...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...ちょうど誂え向きに空車(からぐるま)の札をかけてやってきたタクシーを呼びとめて...
平林初之輔 「動物園の一夜」
...京都へ誂えてやるという執心ぶりだった...
矢田津世子 「女心拾遺」
...徒歩のひとには誂えむきの休み所と見えるけれども...
矢田津世子 「凍雲」
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