...それに全く誂えむきに...
犬田卯 「沼畔小話集」
...高さが百尺もあるお誂え向きのこの二基の櫓に落ちたことは極めて合理的だった...
海野十三 「雷」
...私は手を鳴して朝飯(めし)を誂えた...
近松秋江 「別れたる妻に送る手紙」
...箱だけは慥かにお誂え申した覚えが御座いますが!」こう宝玉屋は無雑作に答えた...
――モウパンサン―― 辻潤訳 「頸飾り」
...彼女はそのお誂えの鮨をむしゃむしゃ食べ初めた...
豊島与志雄 「悪夢」
...ちょうどわたしの身心の状態もお誂え向きでしたし...
トルストイ 米川正夫訳 「クロイツェル・ソナタ」
...先ほど誂えた初茸(はつたけ)の吸物もまたは銚子(ちょうし)の代りさえ更に持って来ない始末である...
永井荷風 「散柳窓夕栄」
...これも誠に御誂え向きの話である...
中谷宇吉郎 「映画を作る話」
...誂え向きの大年増が見つかりましたよ」八五郎が何處かの物蔭からヒヨイと出て來ました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...「暫らく我慢するんだ」丁度誂えたような床柱...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...そこへ出来てきた誂え物を押しやって...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...お誂えどおり手拭いの吉原かぶりに白唐桟の細かい縞の着物...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...ちょうどお誂えむきに...
ニコライ・ゴーゴリ 平井肇訳 「外套」
...まったくお誂えむきで...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...我が国の多くの県下町は気候が頗るお誂えむきである...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...……首釣りには丁度誂え向きの木が河向うにあったので...
正宗白鳥 「軽井沢にて」
...京都へ誂えてやるという執心ぶりだった...
矢田津世子 「女心拾遺」
...又は別誂えの咳払いをしても...
夢野久作 「鼻の表現」
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