...その波は重い船を胡桃の殻のやうに訳なく放りあげて...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...牧田の小さな身体位訳なく隠れて了うからね」あんまり簡単な事実なので...
江戸川乱歩 「黒手組」
...そんなに訳なくも出来ないけれど...
鈴木三重吉 「桑の実」
...お春は曲り角を一つ曲った所で訳なく彼女を発見した...
谷崎潤一郎 「細雪」
...訳なく承知して呉れて...
田山花袋 「重右衛門の最後」
...突然帰ってしまって本当に申し訳なく思っております...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 三上於菟吉訳 「患者兼同居人」
...空間という範疇――もはや直観ではない――はユークリッド幾何学にでも非ユークリッド幾何学にでも基礎を与えることが訳なく出来る...
戸坂潤 「現代唯物論講話」
...訳なく出来たものとすればこの上ないけれども...
豊島与志雄 「好意」
...申訳なく思って居ります」「島野さんもあんなことにおなりになって...
久生十蘭 「だいこん」
...なんだか申訳なくて」「あなたも堅っ苦しいひとだね...
久生十蘭 「肌色の月」
...訳なく地下室で発見された...
牧逸馬 「土から手が」
...このお猿を見ているだけでも半日位は訳なくたってしまいます...
三浦環 「お蝶夫人」
...これほど訳なく進歩してゆく...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...牛肉屋から脂(あぶら)の寡いロース肉かあるいは三角肉を買って大切のままブリキ箱へ載せてカステラ鍋へ入れて塩を振りかけて二時間も蒸焼(むしやき)にすると訳なく出来ます...
村井弦斎 「食道楽」
...つまらぬ絵を二三十枚描く辛棒さえあれば訳なく取れる...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
...彼女たちのこうした風俗からでも訳なく察せられる...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
...名刺を出すと訳なく通してくれたが...
夢野久作 「無系統虎列剌」
...じつに自分の得手勝手が後では申し訳なく思われた...
吉川英治 「随筆 新平家」
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