...暗い穴が一層暗くなる許りだ...
石川啄木 「雲は天才である」
...今し方歸つた許りといふところであつた...
石川啄木 「札幌」
...その間から覗いてゐる十八九日許りの月影に...
石川啄木 「札幌」
...新しいと名の付くものは何でも嫌ひな旧弊家の、剰(おまけ)に名高い吝嗇家(しみつたれ)だつた作松は、仲々それに応じなかつたが、一月許り経つと、打つて変つた熱心な信者になつて、朝夕仏壇の前で誦(あ)げた修証義(しうしようぎ)が、「あしきを攘(はら)うて救けたまへ...
石川啄木 「赤痢」
...明日発つて十里許りの山奥の或小学校の代用教員に赴任することになつた...
石川啄木 「鳥影」
...半月許りして其下宿屋は潰れた...
石川啄木 「病院の窓」
...點火(とも)り初めた許りの所へ行つて...
石川啄木 「天鵞絨」
...五歳(いつつ)許りの...
石川啄木 「天鵞絨」
...喜びも悲みも罪のない事許り...
石川啄木 「二筋の血」
...解散――解散――忠勤をぬきんでるのはここぞと許り署長が連呼した――聴衆の憤怒解散解散――それは燃ゆる火熱に油をかけた――署長を殺せ署長を殺せ――パイとポリ公をふみ殺せ――地主と同様――奴等も敵の片割れだ――下駄は礫になった...
今村恒夫 「死ぬる迄土地を守るのだ」
...殊にお霜婆さんが二日許りして歸つた後は已むを得ず襁褓の洗濯をもした...
高濱虚子 「續俳諧師」
...細君は其日は早速車夫の庫さんを使ひにして三鉢許り命令(いひつけ)てやつて翌日からは何か一つづゝお手料理を拵へて十風の歸るのを待つことにした...
高濱虚子 「俳諧師」
...汐田は卒倒せん許りに興奮して...
太宰治 「列車」
...さうして女に向つて二階に許り居ては氣が鬱していかぬから先生と散歩でもして來てはどうかと勸めた...
長塚節 「開業醫」
...一週間許り前占者(うらなひしや)に見てもらつたら...
夏目漱石 「それから」
...一年許りの内には...
松永延造 「職工と微笑」
...僅か許りを小作男に賃貸してやって期限に戻さないと云って泣いてたのむのを聞かずに命より大切がって居る一段にも足りない土地を取って仕舞ったりして居たので...
宮本百合子 「お久美さんと其の周囲」
...終日濤声に包れていたのであるから普通なら別に驚かないのだが通りかかった其処は左がやや傾斜を帯びた青い麦畑で右手海寄りの方は一寸した窪地を置いて直ぐその向うに小高い雑木林の丘がある許り...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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