...黎明の光が漸く障子に仄めいた許りの頃...
石川啄木 「足跡」
...一週間許り待つて呉れるなら汽車賃位出來る道があるが...
石川啄木 「雲は天才である」
...私は少し許りの畳建具を他(ひと)に譲る事にして旅費を調へた...
石川啄木 「札幌」
...今し方帰つた許りといふところであつた...
石川啄木 「札幌」
...新しいと名の付くものは何でも嫌ひな旧弊家の、剰(おまけ)に名高い吝嗇家(しみつたれ)だつた作松は、仲々それに応じなかつたが、一月許り経つと、打つて変つた熱心な信者になつて、朝夕仏壇の前で誦(あ)げた修証義(しうしようぎ)が、「あしきを攘(はら)うて救けたまへ...
石川啄木 「赤痢」
...信吾は一時間許り前に歸つたといふ...
石川啄木 「鳥影」
...一分許り話は断えた...
石川啄木 「病院の窓」
...二町許りで本郷館の前まで來た...
石川啄木 「天鵞絨」
...父も母もまだ炉辺に起きてるので、も少許(すこし)待つてから持出さうと、お八重は言ひ出したが、お定は些(ちよつ)と躊躇してから、立つと明(あかり)とりの煤けた櫺子(れんじ)に手をかけると、端の方三本許り、格子が何の事もなく取れた...
石川啄木 「天鵞絨」
...親の為に許りの考で育てたくないやうに...
伊藤左千夫 「『悲しき玩具』を読む」
...小室に對する口實許りでなく...
伊藤左千夫 「古代之少女」
...絶息せん許りに泣き崩れた...
伊藤左千夫 「古代之少女」
...妻も只泣いた許りで飽足らなくなつたか...
伊藤左千夫 「奈々子」
...馬物の具の無心であつて(would have asked for)食ひもの許りではなかつたらう...
テニソン Tennyson 菅野徳助、奈倉次郎訳 「アーサー王物語」
...自分の感傷に許りもひたつても居られなかつたのでせう...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...そこ許りが少し明るい日本の片隅の小さな温泉の心持がはつきり出て居る...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...二十呎許りのところを...
牧逸馬 「土から手が」
...いま歓語して来た許りの二階の窓の灯が...
正岡容 「寄席風流」
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