...一時間許り経(へ)ける時...
石井研堂 「大利根の大物釣」
...何處へと聞いても唯遠い處と許りで...
石川啄木 「雲は天才である」
...漸々(やうやう)開園式が済んだ許りの...
石川啄木 「葬列」
...「今迄この私は貴君の所有(もの)と許り思つてました...
石川啄木 「鳥影」
...兄は自分を援けに歸るのだと許り思つてゐる...
石川啄木 「鳥影」
...恁(かく)許り悠然した心地は渠の平生に全くない事であつた...
石川啄木 「病院の窓」
...一寸何分と長(たけ)の定(きま)ツた奴許りが...
石川啄木 「漂泊」
...懷手した左の指を少し許り襟から現して...
石川啄木 「天鵞絨」
...かくて十分許りの間...
石川啄木 「天鵞絨」
...懐手した左の指を少し許り襟から現して...
石川啄木 「天鵞絨」
...天地の一切悉く靜まつて居るに只自分の胸許りが騷ぐやうに手古奈は感じた...
伊藤左千夫 「古代之少女」
...遂に三年許りの歳月が過ぎて了いました...
上村松園 「私の仕事 松篁の仕事」
...美しい妻と生れた許りの女の子を残して死んでしまった...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...往來で三十錢許り入つてゐた蟇口を拾つて...
千家元麿 「自分は見た」
...たたいて許りゐたつて...
太宰治 「思ひ出」
...諸君の日常御心配下さる所のことは是れに似寄つたこと許り今の日本に多いのでがすから格段珍らしいと思召さぬか知りませぬが私は廣く新聞も碌に見ることが出來ませぬで唯此處に居りまして昨年一昨年以來谷中村に這入り込んで居りまして...
田中正造 「土地兼併の罪惡」
...話は一時間許りつゞいた...
土井八枝 「隨筆 藪柑子」
...あふるゝ許りの光り――裕佐にはさう感じられた――が滝のやうにそこから迸(ほとばし)り出るのであつた...
長與善郎 「青銅の基督」
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