...此考を許す事も出来なくなつて来た...
テオフィル・ゴーチエ Theophile Gautier 芥川龍之介訳 「クラリモンド」
...)蔡温は島津氏の許す範囲内に於て...
伊波普猷 「琉球史の趨勢」
...許す、許さぬ、そのような権利を留保している夫こそ幸いなる哉(かな)、とても許す事が出来ぬと思ったなら、何もそんなに大騒ぎせずとも、さっさと妻を離縁して、新しい妻を迎えたらどうだろう、それが出来なかったら、所謂(いわゆる)「許して」我慢するさ、いずれにしても夫の気持一つで四方八方がまるく収るだろうに、という気さえするのでした...
太宰治 「人間失格」
...そして事情の許す限りは物質を空隙のないコンチニウムと見做す事によってその運動や変形を数学的に論じる事が出来た...
寺田寅彦 「厄年と etc.」
...仮にこの言葉を許すとしよう...
戸坂潤 「科学方法論」
...自分だけの分を許すがいい...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...善く伯を識るものゝ皆許す所なり試に見よ...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...他人に冷淡であるのは許すべからざることだとか...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...また集団的芸術を許す人々にとっては...
中井正一 「映画のもつ文法」
...「立派な何さ」「立派な――靴さ」津田はもし懐中が許すならば...
夏目漱石 「明暗」
...事情の許す限り海の水に親しむのを楽しみとしておりました...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...いづれ許す氣で時節を待つてゐるうち...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...法律の許す範囲において自己を防禦する術があります...
浜尾四郎 「死者の権利」
...一人一人の役人が許すなんていうことをできるものでしょうか...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...この人が犯せばどんな過失も許す気になるであろうと宮は見ておいでになった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...しかし彼ら一人一人に「許す」という一言を...
森鴎外 「阿部一族」
...これに忠と云ふ名を許すに至つては...
森鴎外 「大塩平八郎」
...また其(その)詩中に雑多な印象の並存と混乱とを許するのは従来の自由詩を徹底させたものであつて...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
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