...此榮譽ある名稱を自ら許す資格がないのである...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...吾子(わがこ)を許すではないが政は未だ児供だ...
伊藤左千夫 「野菊の墓」
...健康の許すかぎりやらねばならん...
伊藤左千夫 「廃める」
...吾妻として与うるを許すやと...
高木敏雄 「比較神話学」
...その経世の偉略ある政治家たるを許す能(あた)わず...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...未だ剛勇を以て許すべからざるなり...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...フロイト主義を観念論乃至唯心史観(そういう言葉を許すとして)と考えることに反対するかもしれない...
戸坂潤 「イデオロギー概論」
...仮にそれを許すとしたならばそのような性格は結局性格としては受け取られないであろう...
戸坂潤 「イデオロギーの論理学」
...これは許すべからざるものだ...
中里介山 「大菩薩峠」
...鈴木安芸守はこういうように言うのです、「策動はしているが、結局はモノになるまい、蛤門(はまぐりもん)の失敗を、再三繰返すのみに過ぎまい、過激の壮士共や、変を好む浪人共と違い、朝廷におかれても、心ある堂上公卿は、内心みな徳川贔屓(とくがわびいき)じゃ、徳川家の悪いところは悪いで改めて行き、やっぱり三百年の重しのかかった勢いでないことには、この内外の多難は救われない、たとえ、建武の中興が成ったとしても、帰するところは、やはり武家の世だ、かりに、徳川家に代って、薩摩あたりが勢力を張ろうとしても、長州が許すまい、幕府がある間は薩長相提携もしようが、徳川退くならば彼等の間に当然の同志討ち、いずれの勢力も、徳川家の多年の威望には及ばない、とすれば、彼等の為すところは、朝廷を擁して、その御稜威の下に権柄をわが手に占めて行こうとする策略があるのみだが、そうなってみると、堂上公卿が得たりとばかり手を拱(きょう)してはいないのだ、位倒れで実力の無い公卿勢力を、左様に見くびってはならない、力は無くとも、歴史を持っている彼等の情実というものは、なかなか侮り難いものでな、武家の力だけでは如何とも致し難いものがある、そこで、四方八方の因縁がからみつくから、たとえ、徳川衰えたりといえども、一朝一夕で、天下の形勢が変るということはまずあるまい」というのが、鈴木安芸守の結論らしい...
中里介山 「大菩薩峠」
...自由な行動を許すよりほかはない...
中里介山 「大菩薩峠」
...彼の父親も許すに違いないから...
中島敦 「虎狩」
...金と境遇の許す限り...
野村胡堂 「楽聖物語」
...よくなれば院長の方から退院を許すと...
長谷川時雨 「芳川鎌子」
...アリアーヌの導きの糸[34]として私の名前を使うことを許すわ...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...成瀬の枕許すぐのところに...
北條民雄 「癩を病む青年達」
...大阪へやることを許すのではなかった...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...親鸞においては「許す」ものは弥陀であった...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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