...と云つても恋愛に落ちた訣(わけ)ではない...
芥川龍之介 「あばばばば」
...こう言う羽目に陥るのは必(かならず)しも彼女の我我を却(しりぞ)けた場合に限る訣(わけ)ではない...
芥川龍之介 「侏儒の言葉」
...父の髪(かみ)はまだ白い訣(わけ)ではない...
芥川龍之介 「少年」
...彼は父に今朝に限つて釣り師の見えぬ訣を尋ねようとした...
芥川龍之介 「大導寺信輔の半生」
...すると芸術を尊重する仏蘭西(フランス)に生れた文学者も甚だ清閑(せいかん)には乏しい訣(わけ)である...
芥川龍之介 「澄江堂雑記」
...のみならずこの墓地の前へ十年目に僕をつれて来た何ものかを感じない訣にも行かなかった...
芥川竜之介 「歯車」
...――僕はかう云ふ僕の夢を嘲笑(あざわら)はない訣(わけ)には行かなかつた...
芥川龍之介 「歯車」
...けれども偶然と云ふものはやはりそこにもあつた訣である...
芥川龍之介 「文芸的な、余りに文芸的な」
...のみならずこの下士の名誉心を感傷的と思う気もちもない訣(わけ)ではなかった...
芥川龍之介 「三つの窓」
...隙(すき)を狙(ねら)って鏡から眼を離すと云う訣(わけ)にも行きません...
芥川龍之介 「妖婆」
...處世の秘訣は二號活字にありかナ...
石川啄木 「菊池君」
...この有名な句でもこれを「白露江(はくろえ)に横たわり水光(すいこう)天に接す」というシナ人の文句と比べると俳諧というものの要訣(ようけつ)が明瞭(めいりょう)に指摘される...
寺田寅彦 「俳諧の本質的概論」
...元代の王繹が寫像訣なる者を出せしより...
内藤湖南 「日本の肖像畫と鎌倉時代」
...……ダンサア稼業に訣別の夜だ...
久生十蘭 「金狼」
...しかしこの意識的藝術活動の極度は或缺點を伴はぬ訣には行かぬ...
堀辰雄 「芥川龍之介論」
...まだ物ごころのつかぬ時分に早くも両親に訣(わか)れて孤児となりました...
牧野富太郎 「牧野富太郎自叙伝」
...鬢附油に関する口伝秘訣等が失せ果てぬうち心得置き...
南方熊楠 「十二支考」
...且西洋に於る此学の真訣(しんけつ)未だ伝はらざるが故に洋医方は信じ難しと云つてあるのは...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
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