...――彼はこの答を避ける為に「兎(と)に角(かく)我等は対等だ」と考へない訣(わけ)には行かなかつた...
芥川龍之介 「或阿呆の一生」
...しかし彼等の生活も運命の支配に漏(も)れる訣(わけ)には行(ゆ)かない...
芥川龍之介 「馬の脚」
...お鈴も勿論(もちろん)こう云う子供に同情しない訣(わけ)ではないらしかった...
芥川龍之介 「玄鶴山房」
...腹を立てる訣(わけ)にも行かなかった...
芥川龍之介 「年末の一日」
...――僕はこう云う僕の夢を嘲笑(あざわら)わない訣には行かなかった...
芥川竜之介 「歯車」
...「どうもした訣ではないのですけれどもね...
芥川竜之介 「歯車」
...何か僕の一生も一段落のついたことを感じない訣(わけ)には行かなかつた...
芥川龍之介 「歯車」
...「もっとも候補者は一人残らず低能児(ていのうじ)ばかりって訣(わけ)でもないのよ...
芥川龍之介 「文放古」
...)しかし又一つには閑却してゐた為に文学者たちの研究に材料を与へ易い為もある訣である...
芥川龍之介 「文芸的な、余りに文芸的な」
...しかし彼はこの点では僕と大差のある訣(わけ)ではない...
芥川龍之介 「僕は」
...しかし桃太郎は必ずしも幸福に一生を送った訣(わけ)ではない...
芥川龍之介 「桃太郎」
...保吉は勿論(もちろん)その話に耳を貸していた訣(わけ)ではなかった...
芥川龍之介 「保吉の手帳から」
...いわゆる「成功の秘訣」にでもありそうなことや...
寺田寅彦 「徒然草の鑑賞」
...この有名な句でもこれを「白露江(はくろえ)に横たわり水光(すいこう)天に接す」というシナ人の文句と比べると俳諧というものの要訣(ようけつ)が明瞭(めいりょう)に指摘される...
寺田寅彦 「俳諧の本質的概論」
...この秘訣を知らないから...
中里介山 「大菩薩峠」
...私は父との永訣によって心に与えられた悲しみを貫く歓喜の響の複雑さ...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...というのが菊池氏のいつも言っていた講演の秘訣だった...
吉川英治 「美しい日本の歴史」
...永遠の訣別(けつべつ)を告げていたのであったが...
吉川英治 「親鸞」
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