...欝憂(うさ)を忘るゝために己(おの)れと記臆(きをく)せし雑俳(ざつぱい)を書(かき)つらねて...
饗庭篁村 「隅田の春」
...おぬしの樣な人を吾物に仕樣などいふ出過ぎた心はない……など云はれた事も矢張り強く手古奈が記臆に殘つてゐる...
伊藤左千夫 「古代之少女」
...一体長塚は記臆のよい男であるが...
伊藤左千夫 「正岡子規君」
...私の記臆するところだけでも三四册あり...
佐野昌一 「虫喰ひ算大會」
...程度が高かつた様に記臆して居る...
丘浅次郎 「落第と退校」
...この風習の存在の記臆と結合して...
高木敏雄 「比較神話学」
...いつまでも/\私(わたし)の記臆(きおく)に青白(あをじろ)い影(かげ)をなげ...
竹久夢二 「桜さく島」
...議会における花井弁護士の言を記臆せよ...
徳冨蘆花 「謀叛論(草稿)」
...如何に其の沈痛にして天來の音響を帶びたるかを記臆せよ...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...なにさま記臆のない時のことであるから...
中原中也 「一つの境涯」
...宗教(しゆうけう)と關聯(くわんれん)して宗助(そうすけ)は坐禪(ざぜん)といふ記臆(きおく)を呼(よ)び起(おこ)した...
夏目漱石 「門」
...全然私の記臆にない...
水野仙子 「白い雌鷄の行方」
...我儘ばかりしてゐた昔の苦しい記臆をのみのこして...
水野仙子 「響」
...あゝ何といふはつきりした記臆でせう...
水野仙子 「響」
...私はただそれを明に心に記臆してゐます...
水野仙子 「道」
...今年長崎市発行『土の鈴』二輯へ予記臆のままその瓦猴の旧像の図を出した...
南方熊楠 「十二支考」
...上等品と下等品とはこれほどの差があるとよく記臆(きおく)しておいて今度外で醤油を買うときに一々それと対照(てりあわ)せて見るのです...
村井弦斎 「食道楽」
...おのれ奮ひて持藥なる教育の道の用ゐ難きに當りたるを記臆しおかむのみ...
森鴎外 「柵草紙の山房論文」
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