...……」と言いさして...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...」「なんの話をしても君はすぐ問題を……」とフォン・コーレンはちらとカーチャの方を見て、言いさした...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「決闘」
...もう五六年……」と言いさしてはらはらと涙を流し「母さんがいなくなっても母さんをおぼえているかい」と今は肩過ぎしわが黒髪のそのころはまだふっさりと額ぎわまで剪(き)り下げしをかいなでかいなでしたまいし事も記憶の底深く彫(え)りて思い出ぬ日はあらざりき...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...言いさしたことを話してしまいたまえ...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...文句を途中で言いさして...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...雨上りにはかえってこんなのが厄介で……」と言いさして...
中里介山 「大菩薩峠」
...さすがにこのがんりき――」と言いさして...
中里介山 「大菩薩峠」
...島村先生だから……」すこし僭越(せんえつ)な言いかたをしたようだと思ったので私はなかばで言いさした...
長谷川時雨 「松井須磨子」
...過ぐる数日間わが蔵品家畜を君の軍勢に多く掠(かす)められたが苦情を述べず」と言いさして侯の面を見詰め...
南方熊楠 「十二支考」
...……その道雄にしてからが――(言いさして...
三好十郎 「おりき」
...ほかの女房たちも来たのでそのまま言いさしにした...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...まして」言いさして話をやめた父の自尊心などに令嬢は頓着(とんじゃく)していなかった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...おわかりになることもあるでしょうが」と言いさしたまま院は言葉をお切りになって...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...あなた様は」と子供は言いさして黙ってしまったのをまた宮は冗談(じょうだん)にして...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...どういう目に逢(お)うても」こう言いさして三男市太夫は権兵衛の顔を見た...
森鴎外 「阿部一族」
...どこから」「およめさんですか」「ええ」「そのおよめさんは」と言いさして...
森鴎外 「安井夫人」
...「御承知して下さる」と半ば言いさして...
夢野久作 「女坑主」
...あの智慧の物すごかったこと……僕はあのルンペン男の背後に隠れて聞きながらゾッとしてしまいましたよ」と言いさして中林先生はホッとふるえたタメ息をした...
夢野久作 「継子」
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