...言いがたい慰安と寂寥(せきりょう)とを感じた...
芥川龍之介 「大川の水」
...しっとりと湿った森の大気は木精のささやきも聞えそうな言いがたいしずけさを漂せた...
芥川龍之介 「日光小品」
...私は何とも言いがたいそのにおいの懐(なつ)かしさにそのまま蚊帳の裾(すそ)をはねて寝床に転(ころ)げ込むと...
近松秋江 「うつり香」
...どうも商売とは言いがたいものなのであった...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...何か言いがたい感情であったか?……とにかく彼は立止って...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...身は既に異郷にあるが如き一種言いがたい快感を覚えた事を今だに忘れ得ない...
永井荷風 「十九の秋」
...人間の生活をしているとは言いがたい...
新渡戸稲造 「自警録」
...彼は次の夜も言いがたい焦燥(しょうそう)の胸をいだいて...
マクドナルド George MacDonald 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...却(かえ)って言いがたいすさまじさが添って見えるのだった...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...未だあまり完全な形で実行出来ているとは言いがたい...
三好十郎 「俳優への手紙」
...一種言いがたい変な気がしてきたのであった...
室生犀星 「香爐を盗む」
...必ずしも現今里人の自称するところをもって後訛なりとは言いがたい...
柳田國男 「地名の研究」
...春雨とも言いがたい...
吉川英治 「私本太平記」
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