...さうして此問題に觸れる人は大抵自分は強いと云ふ自覺を得て自分のちからの意識に就いて飽くことを知らざる享樂を恣にしてゐるやうである...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...その熱き息に觸れたり...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...別れた靜枝さんの話に觸れたが...
生田葵山 「永井荷風といふ男」
...奈何も其處だテ――』『何が?』『主筆は十月一日に第一囘編輯會議を開く迄に顏觸れを揃へる責任を受負つたんで...
石川啄木 「札幌」
...右にも大巖ありて、相觸れむとして、觸れず...
大町桂月 「冬の榛名山」
...女給たちにはつひに一指も觸れなかつた...
太宰治 「ダス・ゲマイネ」
...ダルヰンは却つて應用學者の觸れ得ざる...
田山録弥 「人生の爲めの藝術」
... 665すぐれし騾馬に手を觸れて衆に向ひて叫び曰ふ...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...萬一かくし置きあらはるるにおいては――」といふ觸書が出た...
徳永直 「光をかかぐる人々」
...猫の蛋取(のみと)りさへ觸れ歩いた時代ですから...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...主人のことを何う思つて居るんだ」「へエ」痛いところへ觸れたのでせう...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...見せてくれ」平次は事件に觸れたくない樣子で...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...私が觸(さは)つただけで倒れて提灯を燒いた」「へエ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...大きい聲で言ひ觸らされるのがいやさに...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...珍(めづ)らしく家内中(うちゞう)との觸(ふ)れに成(なり)けり...
一葉女史 「大つごもり」
...その光(ひかり)が漸(やうや)く蒲團(ふとん)の端(はし)だけに觸(ふ)れるのを見(み)ると...
水野仙子 「日の光を浴びて」
...すこしはだかつたルリさんの背中に顏が觸れました...
三好十郎 「肌の匂い」
...けれどかうした眞面目な問題に觸れるのが何となく氣後れがした...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
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